歴史を変えた慶応・丸田弾の裏に「湯田対策」 神奈川抽選で森林監督が講話「準備で人間は楽に」

2023年09月07日 20:03

野球

歴史を変えた慶応・丸田弾の裏に「湯田対策」 神奈川抽選で森林監督が講話「準備で人間は楽に」
秋季県大会の抽選会で講話を行った慶応・森林監督(撮影・柳内 遼平) Photo By スポニチ
 秋季高校野球神奈川県大会の組み合わせが7日、決まった。今夏の甲子園大会で1916年以来107年ぶりの日本一に輝いた慶応は、10日に藤沢西―舞岡の勝者と初戦を戦う。
 「エンジョイベースボール」を掲げて日本一に導いた森林貴彦監督は壇上で「神奈川に優勝旗を持ち帰ることができてうれしく思います」と語った。新チームのテーマは「応援している方に喜んでもらう」、「チャレンジャーとして戦っていく」の思いを込めた「一喜挑戦(いっきとうせん)」に決まった。

※以下は森林監督が行った講話。

☆―神奈川の代表として優勝を果たした。
 「何より神奈川県という激戦区の中で勝ち上がって優勝でき、責任を果たせた気がします。8年ぶりということなので、あまり間が空かずに神奈川に優勝旗を持ち帰ることができてうれしく思います」

☆―優勝のためには3つの○○が大事だった。
 「1つ目は運です。(日本一の)12試合を勝っていく中で、その中には運に恵まれたということがありました。甲子園の3回戦広陵戦で3―3になって、広陵の高尾投手が尻上がりに調子が良くなり“どうやったら点を取れるかな”となった。今年から10回からタイブレークということは運がよかったです。それがなくて12回まで延長をやっていたら点が取れていなかったんじゃないかなと思います。タイブレークは無死一、二塁からスタートだから点が取りやすい。何とか9回まで同点でいって10回に点を取りたいなと思っていました」

☆―仙台育英との決勝戦でも運が味方した。
 「(優勝までに)仙台育英さんは6試合、うちは5試合。これも大きかった。仙台育英さんは開幕戦から浦和学院さんと凄い試合をやっていて、結構、疲れていたと思う。うちは大会6日目からで、そういう意味では恵まれていた。準決勝の前の日と決勝の前の日に練習会場に行きましたが、(練習時間が前だった)仙台育英さんがまだやっているかなって時に(会場に)行くんですが、仙台育英は帰っている。その時は“余裕だな”と思ったんですけど、いま思うと疲労がたまっていたのかなと。決勝でも育英さんのバッターは少しバットが重かった。決勝では丸田が先頭打者ホームランを打ったんですけど、その時は追い風だった。他にもいろいろな運の要素があったと思います」

☆―2つめの○○。
「2つめは勢いです。圧倒的な力があるチームは必要ないんですが、うちには必要だった。秋も大会の中で勢いがついていくチームがあると思う。うちの場合は広陵に勝ったことで勢いがついた。甲子園では広陵の高尾君、沖縄尚学の東恩納君と良い投手を見れて決勝に行くことができたので、育英の高橋君、湯田君が特別に見えなかった。凄い投手に勝てると勢いがつくと思います」

☆―3つめの○○。
「準備です。各先生に(選手は)言われていると思いますが、準備が大事です。今年は毎日、暑い中で野球をしていた。夏は神奈川大会でもクーリングタイムが採用されていた。(事前に)甲子園ではベンチ裏に下がってやると言われていた。甲子園のベンチ裏って意外と狭くて快適じゃないんです。試合やったチームに聞くのが一番早い。土浦日大の先生に聞いて、いろいろと対策を立ててクーリングタイムの練習をしました。1時間練習した後、10分間のクーリングタイムを取りました。最初は水分を取ったり、着替えたり。後半の3分はミーティング、最後の1分でグラウンドに出る。攻撃バージョンと守備バージョンをやっていました。とにかく1回準備しておくと、人間は楽になる。初めてのこと、慣れないことは戸惑います」


☆―他にも準備していたこと。
 「相手投手の映像もバーチャル高校野球やYouTubeの動画がかなりある。高尾君と対決するときには、ホテルの宴会場でプロジェクターで映して(打者陣で)スイングするということをやりました。仙台育英対策では、10何試合(映像を)見ることができた。例えば湯田君は150キロくらい出るんだけど、実はストレートの半分はボール。150キロのストレートを狙ってもなかなか打てないので、何が打てそうかといった時に高めからのスライダー。丸田は初球のスライダーを空振りしたが、4球目(スライダー)の先頭打者ホームラン(夏決勝史上初の先頭打者本塁打)につながったと思います」

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