逆転勝ちが最多の43度、1点差試合は24勝12敗、つなぐ野球で接戦に強いオリオールズ

2023年09月07日 11:03

野球

逆転勝ちが最多の43度、1点差試合は24勝12敗、つなぐ野球で接戦に強いオリオールズ
アーロン・ヒックス(AP) Photo By AP
 スポーツイラストレイテッド誌のトム・ベデューチ記者が藤浪晋太郎所属のオリオールズの野球を「美的だ」と称賛している。
 チーム本塁打数は159本で全体18位だが、つなぐ野球で8位の691得点を挙げている。確実にバットに当て、足を絡め、つなぐ野球。フライボール革命が始まってからは、個々の打者が打球角度ばかり気にして、本塁打を狙う野球が主流になり、つなぐ野球は絶滅の危機に瀕していたが、今季から始まったピッチクロック、けん制球の制限、シフト制限といった新ルールの助けもあり、よみがえった。オリオールズの野手の活発に動きにベデューチ記者は「アップテンポのバスケットボールチームみたい」とも表現する。ブランドン・ハイド監督は「うちは他球団よりも速いプレーできる。それはただ速い選手がいるということではない。毎試合ハッスルして、みんながハードにプレーしていることに誇りを持っている。それは試合前の練習からで、それを見た他球団のコーチやスカウトに褒められると良い気持になる」と話している。

 フライボール革命が流行したのはデータ分析で、その方が試合に勝てると証明されたからだ。実際、チーム本塁打数が少なくても世界一になれたのは15年のロイヤルズが最後である。だが、80年代からメジャーの野球を取材するベデューチ記者は、新ルールで野球は変わったし、ホームランだけに頼るのではなく多様な戦い方があった方が野球が面白くなるとし、美しいと信じている。ハイド監督はマイク・エライアスGMの選手の集め方が良かったと感謝している。ドラフトでは身体能力が高く、選球眼も良い、ガナー・ヘンダーソン内野手やアドリー・ラッチマン捕手のような選手を指名。トレードでは野球をよく知っていて、辛抱強いアプローチのアーロン・ヒックス内野手、アダム・フレージャー外野手を獲得した。加えて生え抜きのベテラン、セドリク・ムリンス、アンソニー・サンタンダー、オースティン・ヘイズは、打者有利のカウントに持ち込み、好球必打をすることの重要性をよく理解している。

 「うちの打者は打球角度は考えていない。頭にあるのはセンター方向に強く打ち返すことだ。状況に応じた打撃で相手守備にプレッシャーをかける。2ストライクと追い込まれてもバットに当てる。バントやヒット&ランもできる。昔ながらの野球スタイルだが、我々はそれを信じているし、こういう野球をすることで接戦に勝てている」とハイド監督。43度の逆転勝ちは30球団で最多。1点差試合は24勝12敗。遠征試合は44勝25敗である。

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