大物の片りん!!CS使えるぞ ソフトB・井上“名刺代わり”のマルチデビュー「やっとスタート」

2023年09月07日 05:02

野球

大物の片りん!!CS使えるぞ ソフトB・井上“名刺代わり”のマルチデビュー「やっとスタート」
<ソ・ロ>5回、周東の適時打で生還した二走・井上はナインの出迎えに笑顔(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   ソフトバンク3-0ロッテ ( 2023年9月6日    ペイペイD )】 ソフトバンクは6日のロッテ戦で、プロ3年目で1軍に初昇格した井上朋也内野手(20)が、初出場初スタメンを2安打デビューで飾った。5回の第2打席で中前へプロ初安打。周東の適時打で初得点を刻むと、6回にも中前打を放った。先発の有原航平投手(31)は8回無失点で、日本ハム時代の19年からロッテ戦7連勝としチームトップの7勝目。2位・ロッテとのゲーム差を3、貯金を1に戻した。
 1軍初昇格に初スタメン、初安打に初マルチ、そして初のお立ち台。初々しすぎる男、井上は白球を持って観客に感情をぶつけた。

 「2打席目でヒットが出て、あとは気楽に行けました。落ち着いて行こうと思って振った。今でも手の感触は、残っています」

 左手一本でのフォロースルーに強打者の片りんを感じさせた。2―0の5回先頭、プロ2打席目。2ストライクから先発・西野の3球目、146キロ内角直球をバットの根元で押し込みながらも鋭い打球を中前へと運んだ。同1死二塁での二走では周東の中前打でプロ初得点も刻み、はしゃいだ。

 1本で終わらせないのが井上のポテンシャル。3―0の6回2死ではスライダーを再び中前打。果敢に二塁を狙って、一度はセーフ判定もリクエストでが覆って初長打は幻に。ただ高卒3年目の積極姿勢にベンチもわいた。2安打後の7回守備から川瀬に代わった。

 今夏に再加入したデスパイネに新外国人アストゥディーヨ、同ホーキンス。いずれも右の大砲助っ人が不発の事態のままリーグ終盤へ。ウエスタン・リーグで17本塁打のリチャードも1軍では不発。そんな中、5日のロッテ戦後に同リーグ9本塁打で打率首位の井上にお呼びがかかった。

 2軍メンバーが滞在する名古屋市内の宿舎を午前6時30分に起床。同8時の新幹線で爆睡。強心臓ぶりは健在だ。初登録後に「8番・一塁」で本拠地デビュー。守備中に「思った以上にロッテの応援、すげー!」と硬さの残ったままの2回先頭での初打席。スライダーを遊ゴロだった。

 2年目の昨季は椎間板ヘルニアの手術を受けた。今季も開幕前、3月末のオープン戦まで1軍に同行していたものの腰を痛めて離脱した。能力を藤本監督は知っていたが夏の終わりに復調報告。迷わず起爆剤として期待し、結果を残しただけに「追い込まれての2本。頼もしい若い選手が出てきたし、使っていこうという気になった」と快勝劇にもご機嫌だ。

 これでカード1勝1敗。ロッテと3差に戻し、貯金も1とした。井上は「やっとスタートを切ることができた。また頑張ります」。残り24試合。ゴールに必要な戦力に、なりそうだ。(井上 満夫)

 ◇井上 朋也(いのうえ・ともや)2003年(平15)1月28日生まれ、大阪府出身の20歳。花咲徳栄では高1夏の甲子園に野村(日本ハム)と出場し、2回戦敗退も1回戦の鳴門戦ではV打を含む3安打2打点と活躍した。3年の甲子園交流試合では大分商に3―1で勝利。高校通算50本塁打。20年のドラフト1位指名でソフトバンクに入団し、2年目の昨季は椎間板ヘルニアの手術を受けた。1メートル81、88キロ。右投げ右打ち。

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