苦手の大竹攻略へ、広島が仕掛けた左偏重打線 駆け引きは残り5試合の直接対決、CSへ続く

2023年09月10日 08:00

野球

苦手の大竹攻略へ、広島が仕掛けた左偏重打線 駆け引きは残り5試合の直接対決、CSへ続く
<神・広>6回2死、広島・野間は左前打を放つ。投手大竹(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神5ー1広島 ( 2023年9月9日    甲子園 )】 【畑野理之の談々畑】そこまで徹底するんだ…。阪神の先発・大竹耕太郎に対して、広島はスタメンに左打者を7人も並べてきた。右打者は、一人は投手の森下暢仁なので、実際は6番・一塁のライアン・マクブルームだけ。それも、そうだな。今季6度目のマッチアップだが、過去5度は、大竹の4勝0敗、防御率0・76と圧倒。大胆な策をとった広島打線との対戦に興味をもったが、結果は、大竹が6回2/3を1失点(自責0)でこの日も完勝した。
 珍しかったのが、右投手には左打者、左投手には右打者…ではなかったこと。例えば右サイドの青柳晃洋にはヤクルトが左打者をズラリと並べてくるが、大竹には右打者ではなく、その逆だった。

 データが出ている。試合前まで大竹は左打者に・292(168打数49安打)と3割近くも打たれているが、右打者には・222(230―51)と抑えている。得意のチェンジアップが右打者に有効なのだろう。

 広島の左打者が淡々とやられているわけではなく、打席の中での工夫や駆け引きが少しだけ見えた。例えば2番の野間峻祥は3度の対戦で立ち位置を前後に少しずつ変えていた。6回の3打席目でゴロで三遊間を破った時よりも、8回の4打席目で対戦した桐敷拓馬の時は前(投手寄り)に立っていた。試合後、野間に確認しに行った。「う~ん、相手投手によって立つ位置を変えたりはしています」。まだ対戦も残っているので答えは教えてくれなかったが、ヒントだけはくれた。

 岡田彰布監督も、目立ちすぎるこの日の広島打線には注目していた。「そら、広島も対策を練っていると思う。左打者が昨日(8日の初戦)よりも多かったよな。当たっている(右の)堂林とか末包がきょう来ると思ったけどな。でもコントロールを間違えなかったら、打たれないということやな」

 大竹攻略に左右の法則は関係なかったが、6度勝てなかった広島も次の対戦へまた違う策を練ってくるだろう。直接対決あと5、そしてその先のクライマックス・シリーズでの再戦も注目したい。

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