10勝到達した阪神・大竹の背中押した岡田監督の言葉 「頑張ってきた証拠」取材コメント勝手に見て奮起

2023年09月10日 05:15

野球

10勝到達した阪神・大竹の背中押した岡田監督の言葉 「頑張ってきた証拠」取材コメント勝手に見て奮起
<神・広(20)>2回1死一、三塁、大竹は左翼線に適時二塁打を放ち塁上でバンザイ (撮影・奥 調) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神5ー1広島 ( 2023年9月9日    甲子園 )】 阪神は9日の広島戦に5―1で快勝、優勝マジックを一気に3つ減らして「7」とした。先発・大竹耕太郎投手(28)が6回2/3を1失点(自責0)の好投を見せ、自身初の10勝目。国内移籍1年目左腕が2桁勝利するのは2003年下柳剛以来20年ぶりの快挙となった。打っても2回1死一、三塁でバスターから左翼線適時二塁打し、プロ初長打&初適時打で“攻献”。47年以来76年ぶりとなる球団史上最多タイのシーズン4度目の7連勝へ導いた。
 晴れ渡った甲子園のど真ん中で、大竹が舞った。勝てばマジックが1桁の「7」になる大一番でも、気負いはない。「気負っていい結果が出たことがないので、どんな試合でも変わらないように」。伸びのある直球に最遅80キロ台のチェンジアップを織り交ぜて四隅を丁寧に突き、大竹本来の投球で赤ヘル打線から凡打の山を築いた。5回まで散発2安打、無四球。7回2死から失策を機に失点し降板するも、大観衆から万雷の拍手を送られた。

 「このカード前の岡田監督の取材コメントを勝手に見て“こんなふうに思ってくれてるんだな”と、気も楽になった。昨日(8日)、村上がいい投球してくれてチームも勝ってくれたので、自分としてはすごく楽にいけた」

 指揮官が7日に発した「頑張ってきた証拠」という言葉に背中を押され、前日8日にプロ初の10勝を挙げた村上の勇姿からは刺激を受けた。一人の力では積み上げられなかった白星の数々。4月8日ヤクルト戦での虎1勝からきょうまで、変わることのない思いがある。

 「岡田監督、コーチが(10勝まで)僕でもいけるんじゃないか、という気持ちにさせてくれた。野手の皆さん、(坂本)誠志郎さんのリードに助けられてここまで来られた」

 自身のバットでも節目の一勝をたぐり寄せた。2回、1点を先制し、なお1死一、三塁の好機で大竹が打席へ。ここでちょっとしたミスが。カウント2ボールからの3球目、ベンチから出された「バスター」のサインを大竹が見落とした。4球目も変わらずサインは「バスター」。今度は見逃さない。森下の高め直球を豪快に左翼越えへ運び、二塁上で派手に両手を天へ。5月20日の対決でプロ初安打を放っている右腕に、今度はプロ初長打、初タイムリーを見舞った。

 思考は現実化する――。これが大竹の成功哲学だ。登板前夜には自身が勝ち、お立ち台に上がっている姿を想像する。ソフトバンクの育成選手時代には、背番号が軽くなった戦闘服を身にまとう晴れ姿を思い浮かべた。

 「いろんな選手が支配下契約した時の会見動画を見ていました。“僕もこんな感じになるんだな”とか」
 着々とカウントダウンが進み、優勝が目の前に迫る。歓喜の輪で舞う自分の姿が、もうくっきりとイメージできる。(八木 勇磨)

 ○…大竹(神)がプロ6年目で初の10勝到達。大竹は昨オフ、現役ドラフトでソフトバンクから移籍。阪神に国内移籍1年目の2桁勝利は、19年の西勇の10勝以来。左腕では03年下柳の10勝以来20年ぶり。前日8日には村上が3年目で初の10勝。阪神で初の2桁勝利が2人は21年、6年目の青柳13勝と新人の伊藤将10勝以来。新人を除けば96年、2年目の川尻13勝と3年目の藪11勝以来27年ぶり。

 ○…阪神が広島に勝利。マジックナンバーを一気に3つ減らして「M7」とした。これはセ・リーグは最終勝率で2チームが並んだ場合、(1)勝利数、(2)当該球団間の対戦成績、(3)交流戦を除いたリーグ内勝率、(4)前年度順位の順で順位を決めることになっているため。

 ○…原則、マジック点灯対象チームとの直接対決に勝てば、マジックは2つ減って「M8=残り8勝」になるが、この日の「M7」は、広島が残り15試合に全勝しても、阪神が広島戦以外で「7勝=M7」すれば、(1)両チームが83勝56敗4分けの勝率・597。(2)対戦成績も12勝7敗1分けで並び、(3)リーグ内勝率で阪神が・623(76勝46敗3分け)で広島の・612(74勝47敗4分け)を上回るため。なお、きょう10日も阪神が勝てば広島戦の勝ち越しが決定。マジックは2つ減って「M5」になる。

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