【阪神2軍リポート】21年ドラ2の鈴木 安定感増した理由はテンポとフォーム

2023年09月12日 05:15

野球

【阪神2軍リポート】21年ドラ2の鈴木 安定感増した理由はテンポとフォーム
阪神・鈴木
 【阪神2軍リポート】鈴木の表情は、昨季より明るかった。灼熱(しゃくねつ)の鳴尾浜球場で汗を流す2年目は確かな手応えをつかんでいた。
 「キャンプから続けてきたことが実戦に生きてきている実感はあります」

 最速152キロ左腕としての期待を受け21年ドラフトで2位として入団。しかし1年目の昨季は1軍登板はなく、ウエスタン・リーグでは先発、中継ぎで計13試合に登板し、防御率8・06と「プロの壁」に直面した。25回2/3で四死球は26。自分を見失ったまま、あっという間に1年目が終わった。

 「キャッチボールやブルペンからテンポよく投げる。試合でも考えない時間をつくることが一番ですね」

 今季はいたってシンプルなところにテーマを置いた。それが投球時の「テンポ」だ。昨季は、捕手の返球を受けてから次の1球を投じるまでの間合いが悪くなっていた。「メカニック的なことを考えすぎていた」。実は今季からは米大リーグで導入されたピッチクロック(走者なしの場合は捕手の返球を受けてから15秒以内に投球)を“体内”に刻んでいる。昨年の反省を踏まえて投球テンポを強く意識していた。

 「(テンポを速くすることで)打者に考える時間をつくらせない。それが自分にもいい方向にいっている。今年は変えない。(フォームも)これでいこうと思っている」

 創価大時代に取り入れたドジャース・カーショーの二段モーションも4月から封印した。テンポ同様に投球フォームも考え方もシンプルにし、「これと決めたら今年は変えない」とブレずに1年間を戦うと決めている。ウエスタン・リーグでは6月4日のオリックス戦(高槻)から、中継ぎ6試合の計8回1/3で連続無四死球投球を披露。7月中旬から2軍の先発ローテに入り11日現在で、計19試合に登板して5勝0敗、防御率3・38と徐々に安定感も増してきた。

 「フォアボールの質が変わってきたかなと。切り替えて投げられてます。もっと自信をつけていきたい」

 2年目の23歳。1軍で活躍できるポテンシャルは秘めている。 (石崎 祥平)

 ◇鈴木 勇斗(すずき・ゆうと)2000年(平12)3月17日生まれ、鹿児島県出身の23歳。鹿屋中央では甲子園出場なし。創価大では2年春からリーグ戦に登板。3年秋は5勝を挙げて優勝に貢献しMVP。21年ドラフト2位で阪神入り。1メートル74、83キロ。左投げ左打ち。

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