菅野&ライアン NPBに直談判「投げ抹消」中のFA日数加算を!先発投手の待遇改善へ特例新設求める

2023年09月12日 05:30

野球

菅野&ライアン NPBに直談判「投げ抹消」中のFA日数加算を!先発投手の待遇改善へ特例新設求める
NPBを訪問した(左から)ヤクルト・小川、巨人・菅野、日本プロ野球選手会・森事務局長 Photo By スポニチ
 日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会の事務折衝が11日、都内で行われ、選手会の副会長である巨人・菅野とヤクルト・小川が初出席。先発投手が登板間隔を長めに空けるために出場選手登録を外れる「投げ抹消」について同会は抹消期間中もFA資格日数を加算する特例の新設を求めており、異例の“直談判”を行った。
 選手会が提示したのは抹消から14日以内の先発登板なら7日間を加算する案。菅野は「投げてすぐ抹消だと日数が稼げない選手が少なくない」と説明する。選手会が具体例で挙げているのは21年のヤクルト・奥川。高卒2年目だった右腕は体調面を考慮され「投げ抹消」を繰り返した。抹消後、最短1軍復帰は10日後。10日以上の間隔でレギュラーシーズンは18試合に先発し9勝4敗、防御率3・26で優勝に貢献も1軍登録日数はたった62日だった。仮に選手会案を適用するとCSを含めた先発13登板が14日以内のため91日が加算される。奥川と同僚で直接意見も聞いたという小川は「先発の価値、権利を得られるよう思いを伝えた」と言った。

 今回は相手側に受け入れられやすいように前回8月3日の事務折衝で「30日以内」だった間隔を「14日以内」に修正。NPBや12球団は10月の実行委員会で検討する。菅野は「限られた年数の中で(プレーしているので)一日でも一年でも早くという思いはある」と希望する。事務折衝への選手出席は近年では異例。同会の森忠仁事務局長は「(2人が)積極的に発言してくれた。球団の人には刺さったのかなと思います」と手応えを語った。(神田 佑)

 ▽フリーエージェント(FA) 条件を満たせば自由に他球団と交渉できる権利。現在の制度は93年オフに導入された。レギュラーシーズンおよびCSでの1軍登録日数145日を1年とし、国内FAは8年(07年以降のドラフトで入団した大学、社会人出身の選手は7年)、海外FAは9年で取得できる。07年から故障者選手特例措置がスタート。移籍の場合、元の所属球団に金銭や人的補償がある。

 【近年の直談判アラカルト】

 ▽16年6月13日 内川(ソフトバンク)や角中(ロッテ)、川端(ヤクルト)、炭谷(西武)、牧田(西武)、岡田(ロッテ)、長谷川(ソフトバンク)の選手会長やWBC出場経験者7人が出席。17年3月のWBCの後の調整期間確保へ、公式戦開幕を遅らせるよう訴えた。

 ▽17年10月6日 嶋会長(楽天)と大野(日本ハム)、炭谷(西武)、角中(ロッテ)の選手会長3人が出席。契約更改の際に年俸額を事前に選手に通知するという要求について、球団側が交渉日の前日までに口頭で伝えることで基本合意した。

 ▽19年1月22日 丸(巨人)と秋山(西武)が出席。出場機会の少ない現役選手を他球団が獲得できる「現役ドラフト」の導入など要望。選手会役員でない両選手の出席は異例だった。

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