阪神・岡田監督 G倒で決める14日甲子園V「相手ちょうどええ」幼少時ヤジ飛ばした宿敵の前で05年再現

2023年09月12日 05:15

野球

阪神・岡田監督 G倒で決める14日甲子園V「相手ちょうどええ」幼少時ヤジ飛ばした宿敵の前で05年再現
阪神・岡田監督 Photo By スポニチ
 優勝へのマジックナンバーを5としている阪神・岡田彰布監督(65)が、自身が率いた2005年と同じ「甲子園での伝統の一戦」での胴上げ実現を願った。リーグ2位の広島、同3位のDeNAの勝敗がかかわるものの、12日からの巨人3連戦で3連勝をすれば、きれいな形で14日に18年ぶりの“アレ”が決まる可能性がある。8連勝中の勢いと、今季14勝5敗1分けのカモが相手ならば、虎党が待ち望む本拠地での歓喜の瞬間も夢ではない。
 18年ぶりの優勝を甲子園で、それも伝統の一戦で果たせれば、これ以上のシナリオはない。岡田監督は、前回指揮を執った05年がまさにそうだった。9月29日、聖地での巨人戦で宙を舞った。今回、同じ状況が見え隠れし、「まあ相手も巨人やし。ちょうどええのはええけど」とまんざらでもない様子で理想型を思い描いた。

 11日時点で優勝マジックは5で最短Vは球団史上最速となる14日。12日からの巨人3連戦の次は敵地での広島戦に出てしまうため、今カード3連勝でゴールするのが最もきれいな形だ。もちろん、仮に宿敵相手に3連勝してもヤクルトと戦う広島と、中日と対戦するDeNAの勝敗によっては決めきれないため、「甲子園なあ。(巨人戦の)次(のカードは)、広島(マツダ)やもんなあ。まあ、どうせ、そらうまいことでけへんもんなあ」と現実的な言葉も口にする。

 しかし、10日には61年ぶり2度目のセ・リーグ5球団全てに対する勝ち越しを決めた。そして9月負けなしの8連勝中の勢いと、目下14勝5敗1分けのお得意さまが相手ならば、少なくとも自力で歩を進めることは可能。さらに、伝統の一戦における過去最高の勝ち越し、79年の「8つ」を大幅に塗り替える可能性もある。宿敵の“完全制圧”も夢ではない。

 指揮官にとって巨人は特別な存在だ。紙加工業を営み、阪神の有力支援者だった父・勇郎さん(故人)に連れられ、子供の頃から甲子園で声援を飛ばした。三塁内野席が指定席で、時に、王、長嶋にヤジを飛ばした。05年優勝時の敵将は堀内監督だったが、今回は現役時代、そして監督としてライバルの原監督が指揮を執る。目の前で胴上げを見せるとすれば、これ以上ふさわしい相手はいない。

 昨年10月の就任から掲げた投手を中心とした守り勝つ野球は、完成の域に達しつつある。2桁失点1度は、セ最少。ワンサイドの劣勢が皆無に等しく、ほとんどのゲームで競り合いに持ちこんでいることが、首位独走の要因になっている。チーム力に手応えを深めているからこそ、「もう何も言わへんよ。そんなん。別に何も言うてないし」と、V目前で改めてハッパをかけることはない。余裕のノー指令で、アレ・ウイークを走り抜ける。(倉世古 洋平)

 ○…阪神の最短Vは14日で、12日からの巨人3連戦に1勝2分け以上が必要になる。条件は(1)阪神3連勝→広島が2敗&DeNAが1分け以下。(2)阪神2勝1分け→広島が2敗1分けか3連敗&DeNAが1敗か2分け。(3)阪神2勝1敗→広島が3連敗&DeNAが1敗1分け以下。(4)阪神1勝2分け→広島が3連敗&DeNAが3分けか1敗1分け以下。

 ○…阪神は今季の巨人戦に14勝5敗1分けと勝ち越し。巨人戦のシーズン最多勝利は79、03、04年の17勝で、残り5試合で更新が視野に入る。最多勝ち越しおよび最高勝率は79年の17勝9敗(勝ち越し8)、勝率.654。

 ▽阪神05年のM5から優勝まで 9月23日の広島戦でシーズン80勝に到達しM5。翌24、25日の同戦も勝利し、M3で28日から甲子園での巨人2連戦を迎えた。28日は7―5で勝ち、マジック対象チームの中日が敗れてM1。29日は先発の下柳が6回無失点と好投し、7回からは「JFK」の藤川、ウィリアムス、久保田が締めて5―1で勝利し2年ぶりのリーグV。お立ち台で岡田監督は「最高の舞台で宿敵・巨人の前で胴上げできて最高です」と喜びをかみしめた。

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