【内田雅也の追球】「3人が好調、3人がふつう、3人が不調ならば何とかできる」 采配で勝利をもぎ取る

2023年10月15日 08:00

野球

【内田雅也の追球】「3人が好調、3人がふつう、3人が不調ならば何とかできる」 采配で勝利をもぎ取る
フェニックスリーグ<西・神>初回、投ゴロに倒れた中野(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【フェニックス・リーグ   阪神1-2西武 ( 2023年10月14日    アイビー )】 阪神が優勝を決めてから1カ月がたった。あの歓喜の9月14日からずいぶんと長い時間が流れたように感じる。
 この日は宮崎・生目の杜のアイビースタジアムでの、みやざきフェニックス・リーグ、西武戦。ずらり並んだベストメンバーにとっては、今月4日の公式戦最終戦以来、10日ぶりの実戦だった。

 「まあ、こんなもんやろ」と試合後、監督・岡田彰布は笑った。試合の指揮は2軍監督・和田豊に任せ、ジャージー姿で貴賓室から見つめた。西武の若手投手、それも背番号128、113、111、112の育成4投手の前に大山悠輔ソロの1点に抑えられて敗れた。

 実戦勘が鈍っているのだろうか。中野拓夢は4打席無安打。無死一塁で3度打席が巡ったが好機拡大はできなかった。3番・森下翔太も4打席無安打。強引さが目立つ三ゴロが2本あった。

 「まあ、でも、甲子園で練習している時は中野が一番好調やと見ていたけどな。だから結局、打線は水物ということよ」

 岡田はさほども気にしていない様子だった。もともと「マイナス思考」を自認し、「3割で一流」という確率の低い打撃には期待していない。「9割8分」の守備率からなる「守りの野球」を掲げている。

 いつだったか、優勝を決めた後に焼酎を飲んでいた時、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(今月18日初戦)までの長い待ち時間について「どうなるか分からん」と前置きしたうえで「そうやなあ」とこんな風に言った。

 「打線のなかで3人が好調、3人がふつう、3人が不調、ならば何とかできると思うよ。この3・3・3はふつうの状態やろ。それなら何とかできると思う」

 ずばり言わなかったが「勝ってみせる」という意味だろう。この日は三塁コーチボックスに1軍コーチ・藤本敦士が立ち、ブロックサインも出してはいたが、実際は作戦も何もない。ベンチの2軍監督・和田豊もサインは出していない。

 本番ならバントもヒットエンドランも盗塁も……「待て」もある。岡田は作戦など采配で勝利をもぎ取る構えでいる。

 この日は3安打の近本光司に本塁打の大山と好調が少なくとも2人いた。好不調の打者は入れ替わるかもしれないが「何とかなる」状態だとみている。 =敬称略= (編集委員)

おすすめテーマ

2023年10月15日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム