ソフトバンク・小久保監督&王会長が“ギータ2世”をロックオン 師弟コンビのアメとムチ

2023年11月03日 06:00

野球

ソフトバンク・小久保監督&王会長が“ギータ2世”をロックオン 師弟コンビのアメとムチ
<ソフトバンク秋季キャンプ>フリー打撃する笹川(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 通算1281発コンビが“ギータ2世”にロックオンした。ソフトバンクは2日、野手、投手の分離での秋季キャンプをスタート。宮崎市内での野手部門の打撃練習では、小久保裕紀新監督(52)と王貞治球団会長(83)の師弟が来季高卒4年目に挑む笹川吉康外野手(21)の驚異のスイングスピードでの打球に対し新指揮官はムチ、会長はアメで期待をかけた。
 生目の杜総合運動公園内の5カ所に分かれ、攻守で個々の能力を伸ばす初の試みとなる分離型キャンプ。ただ通算413本塁打の小久保新監督と同じく、868本塁打の世界記録を誇る王会長は結局、メインのアイビースタジアムにいた。お目当ては“柳田2世”と期待される笹川。約1時間のフリー打撃を両者は食い入るように見つめたが、小久保監督はあきれ顔だった。

 「笹川はね…。日本で一番の打撃投手と言われる浜涯さんの球をあんだけ打ち損じるかね、と思いながら見てました。あれだけいい球をファウルするかね」と苦笑いしていた。

 ファームの打撃練習は監督、コーチが打撃投手を務める。縦割りのキャンプで1軍の打撃投手も宮崎入り。柳田が自主トレに呼び、小久保新監督が率いた侍ジャパンでも打撃投手として呼ばれたのが浜涯泰司打撃投手だ。笹川は「回転が抜群で、打ちやすかった」とは言うが、ならばなぜ打てないのか。指揮官は素材を評価しているからこそ、辛口だ。「スイングスピードは球界トップ級なだけにね。確率を上げろよ、と」。今秋にコンタクトの向上を熱望した。

 王会長はケージに右足を置いてしがみつくように笹川に視線を送り「いい球を、振りすぎるな。力を入れなくてもいい。試合では飛ぶから。とにかく、いい打球だ。いい打球だ」と熱血エール。柳田が入団から14年までつけた背番号44を継承し、1メートル94の体をいっぱいに使うフルスイングは“本家”をほうふつとさせる左の大砲候補だけに「笹川くんはいいよ。柳田くんみたいにね、面白いと思う。来年はチャンスをもらえるんじゃないかな」。本家を脅かせる存在となる未来図を描いた。

 「僕よりも奈良原さんが見るのが大事」と小久保監督は話していた新任の奈良原浩ヘッドコーチも笹川の強振に「あれだけ振れるのが彼の魅力、持ち味。日本人離れしてるし楽しみ」と驚いた様子だ。小久保新体制での野手キャンプ初日は、笹川の個性が注目を独占した。 (井上 満夫)

 ◇笹川 吉康(ささがわ・よしやす)2002年(平14)5月31日生まれ、神奈川県出身の21歳。横浜商では甲子園出場なし。20年ドラフト2位でソフトバンクに入団。昨年は2軍で90試合に出場し、打率.211、4本塁打、29打点。1メートル94、92キロ。左投げ左打ち。

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