阪神・岡田監督、感極まった? 若虎の活躍で逆転「集大成というか、1年間やってきたつなぐことができた」

2023年11月03日 05:15

野球

阪神・岡田監督、感極まった? 若虎の活躍で逆転「集大成というか、1年間やってきたつなぐことができた」
<神・オ>力強くインタビューに答える岡田監督(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【SMBC日本シリーズ2023第5戦   阪神6ー2オリックス ( 2023年11月2日    甲子園 )】 阪神の岡田監督は一瞬、表情を変えた。涙を我慢したのではないか。8回1死二、三塁、森下の逆転三塁打で還ってきた代走植田と近本を出迎えた時だ。感極まったような顔が画面に映された。
 もちろん、本人は認めない。報道陣の「目が赤くなったのでは?」の質問には、「追い込まれてたからなあ。ゴロゴーやったからな。バットに当てろと思ったよ。あそこはあんなええ当たりを打たんでええよ」と笑いに変えてはぐらかした。

 好不調の波が激しいドラフト1位の新人を日本シリーズ中も“説教”しながら大事に育ててきた。うれしくないはずがない。ましてや打席に向かう前に一言伝え、結果に表れたのだから、喜びはひとしおだ。

 試合は苦しかった。中盤以降は田嶋に苦戦。しかも、7回には2失策が絡んで2点差に広げられた。崖っ縁に追い込まれた最悪の流れを第4戦同様に采配で変えた。7回の攻撃の前。「取り組みが間違っていることを相手に教える」という理由で嫌っていた円陣を、今年初めて指示した。

 「平田(ヘッドコーチ)に言うたんよ。気合を入れろって」

 8回には湯浅投入が吉と出た。6月15日を最後に1軍から遠ざかる中でギャンブルに近い起用で流れを引き寄せた前夜に続き、1回2奪三振の快投で猛攻を呼び込んだ。

 敵失で得た8回無死二塁。代打で送った糸原の左前打を「あれが大きかった」と称えた。近本が右前適時打で応え、中野は犠打でつなぎ、森下の後は大山が畳みかけた。さらにノイジーが四球を選び、坂本が締めた。打線が文字通り一本の線になった。今季最後となるであろう甲子園に地鳴りのような歓声が何度も何度も響いた。

 「最後の最後で集大成というか、1年間やってきたつなぐことができた。みんなで点が取れて良かった」

 11月2日は現役だった38年前に日本一に輝いた思い出の日。就任時にシーズンが深まるごとに強くなると予言した通りに力を付けた。「もう11月やから強くなるんちゃう?」。両手には手応え以外ほかにない。2度目の日本一まであと1つ。舞台は再び敵地に戻る。「今季は京セラで開幕したからな。それでまた京セラで終わるわけやから」。2023年の完結へ。一丸で襲いかかる虎の前に立ちふさがるものはない。(倉世古 洋平)

 ▽1985年の「11・2」 阪神はシリーズの成績を3勝2敗とし、敵地・西武球場で第6戦に臨んだ。初回2死からバースの四球、掛布と岡田の連打で満塁とし、長崎の満塁弾で先制。投げてはゲイルが完投し、9―3で勝って初の日本一に輝いた。

≪日本一確率は75%≫
 ○…阪神が逆転勝ちで85年以来38年ぶりの日本一に王手をかけた。2勝2敗(引き分けありを含む)から王手は昨年のオリックスに続き29チーム目。過去28チームのうち、21チームが優勝し、日本一確率は75%になる。阪神は64、85、03年に次いで4度目の王手。今回のように甲子園の第5戦で王手をかけて敵地に乗り込んだのは、85年と03年の2度。85年は西武球場の西武第6戦に勝って日本一。逆に03年は福岡ドームのダイエー第6、7戦に連敗で敗退している。

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