関西シリーズ【男たちのプライド】リーグV10日後に他界…天国の父のため阪神・原口は今日もバットを振る

2023年11月03日 05:15

野球

関西シリーズ【男たちのプライド】リーグV10日後に他界…天国の父のため阪神・原口は今日もバットを振る
<神・オ>試合前の円陣で声を出す原口(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【SMBC日本シリーズ2023第5戦   阪神6ー2オリックス ( 2023年11月2日    甲子園 )】 甲子園での今季ラストゲームは、ベンチでの原口の声出しから始まった。最後に「バモス!」(スペイン語でさあ、行こう)で締めくくった代打の切り札は、空を見上げた。天国の父にも、原口の声、ファンの歓声が届いていた。
 悲しい別れがあった。9月24日に闘病中だった父・秀一さんが死去。69歳だった。父と歩んだ野球人生。帝京高時代、片道2時間をかけて自宅通学をしていた。野球部の練習が終わって家に着くのは夜11時過ぎ。それから自宅を改造したティー打撃場で父の上げるトスを打つのが日課だった。阪神でプレーするための土台をつくった。19年1月に大腸ガンを公表したときもサポートを続けてもらった。

 他界する10日前にリーグ優勝を決めた。入院中の父には看護師が快挙を伝えた。涙を流していた、と伝え聞いた。第4戦には埼玉から母・まち子さんを招待した。父の写真を手にした母の前でのサヨナラ勝利。大切にしたい試合になった。

 「親父が亡くなったのは、自分の人生でも大きなことでした。もっと野球を頑張って、いい報告をしたい」

 オリックスにも病気と闘ってきた選手がいる。国指定の難病「潰瘍性大腸炎」と向き合ってきたプロ12年目の安達だ。たまたま愛車の車種が一緒だったことから、親交を深めてきた。ベストを尽くして精いっぱい戦うだけ。出番がなかった第5戦もベンチ裏で懸命にバットを振っていた。(鈴木 光)

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