阪神ドラ1が“訂正”した黄金の「フレーミング」「経験値マシマシ」青学大1年生捕手・渡部海

2023年12月01日 23:55

野球

阪神ドラ1が“訂正”した黄金の「フレーミング」「経験値マシマシ」青学大1年生捕手・渡部海
野手では1年生で唯一、大学代表候補強化合宿に招集された渡部(撮影・柳内 遼平) Photo By スポニチ
 侍ジャパン大学日本代表候補選手の強化合宿が1日、愛媛県の坊っちゃんスタジアムで始まった。初日はフリー打撃、シートノック、ブルペン投球などが行われた。あす2日には紅白戦が予定されている。
 野手では唯一、1年生で青学大・渡部海捕手が招集された。智弁和歌山では昨年の高校日本代表に選ばれ、今春はいきなり東都リーグのベストナインに輝き、全日本大学野球選手権では日本一に貢献した。そして、明治神宮大会の準優勝後には日本代表候補の強化合宿に招集とハイペースで経験と実績を積み上げている。

 渡部はなぜ、名門でいきなりレギュラーを張り「大学侍候補」となったのか。高校通算38本塁打の打撃、安定度の高い二塁送球の評価も高いが、一番は捕手として「受ける」能力にあるだろう。それを象徴するエピドードがある。

 今秋のリーグ戦後、青学大の練習で阪神からドラフト1位指名を受けた最速155キロ右腕・下村がブルペンで腕を振っていた。捕手を務めた渡部は巧みなフレーミングで低めを「拾う」。低めに落ちる鋭い変化球でもミットは捕球した地点から「タレる」ことなく、「ピタッ」と止まる。時には「見逃し三振」か「四球」かを分ける捕手にとって生命線ともいえるフレーミング。ブルペン投球後、下村に「渡部君は上手いね」と声をかけると「渡部は上手くなりました」と言った。「上手い」と「上手くなった」は違う。短期間で急成長した1年生に敬意を持っているからこそ、下村は「上手くなった」と表現したのだろう。

 青学大から2人の「ドラ1」が誕生した。広島から1位指名を受けた常広は下村とダブルエースを形成。入部当初の渡部はプロ級のボールを投じる2人に対してキャッチングで苦戦。「受けていく中で“足を引っ張ったらダメだ”と本当に意識してやってきた」と必死の日々だった。ともに最速は155キロ。下村は直球に近い軌道から変化するカットボールなど速い変化球が武器で、常広は大きく落ちるフォークが宝刀。ブルペン、試合で捕手としてのトライ&エラーを繰り返し、果たした急成長。「黄金のフレーミング」はこうして生まれた。

 今夏までの大学日本代表は攻守に存在感を発揮する上武大・進藤(日本ハム2位)という大黒柱がいた。今合宿では明大・小島、国学院大・神里ら異なるタイプの捕手がそろう。堀井哲也監督は「いろいろなエースクラスを束ねることが捕手として一番大事。それプラス攻撃力がどのくらい備わっているか、この二段構えで考えるポジションだと思っています」と選考基準を語った。

 1年生ながら「経験値マシマシ」の渡部。「いろいろな選手と会話しながら野球ができることは貴重。凄く良い経験になっています」と目を輝かせる。松山の地で来年のドラフト候補たちにどこまで食らいつけるか。(柳内 遼平)

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