広島の新助っ人・シャイナー「改善」で開幕4番名乗り「日本の野球を研究し、学び、適応しようとしている」

2024年03月12日 05:45

野球

広島の新助っ人・シャイナー「改善」で開幕4番名乗り「日本の野球を研究し、学び、適応しようとしている」
広島・シャイナー Photo By スポニチ
 広島の開幕4番は誰か――。新戦力のジェイク・シャイナー内野手(28=マリナーズ)が“改善”への一歩を踏み出した。首脳陣から方向性を意識するよう助言を受け、10日の中日戦(マツダ)でオープン戦19打席目の初安打を右中間へ放った。同僚のマット・レイノルズ内野手(33=レッズ)が新たに加わり、不透明感が漂う争いに、再び光をともした。
 ライナー性の打球が本拠地の右中間を破っていった。10日の中日戦で、シャイナーが2回2死から待望の二塁打。大野の外角直球をはじき返し、オープン戦8試合19打席目にして初安打を生んだ。長打が自慢の新助っ人は安どの息をつく。

 「来た球に逆らわず右中間から左中間をイメージして打席に入った。芯で捉えた打球が出て良かったよ」

 助言の産物だった。1日の楽天戦から増えた三ゴロ。朝山打撃コーチは「打ちたい気持ちが強く引っ張りにかかっている」と指摘。新井監督と“技術的にはそこまで悪くない。方向性を言おう”と認識を共有し、「センターから右中間を意識しよう」と伝えていた。

 真面目な性格。胸に刻む、日本語の座右の銘を実践する一打でもあった。マリナーズで紹介されていた「カイゼン(改善)」という言葉。「僕の人生には重要だな…と。ずっと覚えている」。文字通り、悪いところを改めて結果につなげた。

 開幕4番は不透明感が漂う。出場したオープン戦7試合で4番に入ったシャイナーが内容、結果で期待に応えていればすんなり決まった可能性大だが、不発。オープン戦初安打は6番先発で放ち、代わる4番にはレイノルズが指名された。

 「打順はまだ決めていない。打てないからどうこうじゃなく、いろいろ考えて試していきたい。開幕4番?全ての選手に可能性があると書いておいて」

 新井監督はそう説明する。ただ、実戦で一度も起用していない選手を4番指名することはまずない。昨季は堂林や、例外的に上本、菊池がその役を任されたものの、開幕4番は打力を買って獲得した新助っ人のいずれかと見るのが妥当だろう。シャイナーは言う。

 「(今は)いいバッターではないと映っているかもしれないが、いいバッターになるために日本の野球を研究し、学び、適応しようとしている。ファンの方々にいい結果を必ず見せられるよう、頑張っていきたい」

 10日の中日戦から4番に入ったアベレージタイプのレイノルズが居座るのか、改善への一歩を踏み出した長打力のあるシャイナーが返り咲くのか。12日からの日本ハム3連戦(エスコン)を含め、オープン戦は残り10試合。争いはここからが本番だ。(江尾 卓也)

 ◇ジェイク・シャイナー 1995年8月13日生まれ、米カリフォルニア州出身の28歳。17年ドラフト4巡目(全体113番目)でフィリーズと契約。メジャー経験はなし。23年はマリナーズ傘下3Aで124試合に出場し30本塁打。マイナー通算658試合で打率・262、102本塁打、439打点。1メートル85、90キロ。右投げ右打ち。

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