ソウルでパドレス投手陣の切り札となりそうなキング、大谷との過去対決は5打席で2本塁打、2三振

2024年03月12日 15:39

野球

ソウルでパドレス投手陣の切り札となりそうなキング、大谷との過去対決は5打席で2本塁打、2三振
パドレスのマイケル・キング投手(AP) Photo By AP
 パドレスのマイク・シルト監督が11日(日本時間12日)、韓国で行われるドジャースとの2試合の開幕シリーズで、第1戦の先発投手がダルビッシュ有、第2戦がジョー・マスグローブと発表したが、ローテーション3番手のマイケル・キングのリリーフ起用もありうると明かした。パドレスの米国本土での開幕戦は28日で、間にたっぷり時間があるからだ。
 そもそもヤンキースで5年間リリーバーを務めていた投手。「戦う意欲が旺盛だし、経験もある。ソウルで投げる可能性は大いにある」と監督。この春のオープン戦も絶好調で2試合に登板し無失点。少ない球数で討ち取ってしまうから、降板後、足りない分をブルペンで補わねばならないほどだ。「(起用の可能性を聞いて)興奮したよ。(ソウル開幕戦の)すごい雰囲気の中で投げたかったから」と本人も意気込んでいる。シルト監督がキングをどの場面で使うのかはシリーズのポイントにもなりそうだ。

 そのキングについて大リーグ公式サイトが特集している。16年、マーリンズにドラフト12巡で指名され17年オフにヤンキースに移籍、19年にメジャーデビューを果たした。20年に初先発。しかしメジャーの先発投手としては通用しないと痛感した。「シンカーは良かったけど、スライダーは全然ダメ。低めに投げようとするけど、高めに浮いた。マイナーだと球種一つでも抑えられるけど、メジャーは甘くなかった」と振り返る。21年の途中からリリーフ専門に。そんな中、転機となったのはチームメートのコーリー・クルーバーにスィーパーを教わったこと。「スライダーをものにしたくて、アダム・オッタビノ、ゲリット・コールに教わったけどうまく行かない。クルーバーについては与えてくれたヒントも握りも自分に合っていた」と説明する。23年、キングのスィーパーはメジャーの平均的なスィーパーよりも3・4インチ(約8・6センチ)余分に曲がり、空振り率39・5%だった。空振りさせた時バットとボールが平均でどれだけ離れていたかの指標でも、ブレイク・スネルのカーブの10・4インチ、グラスノーのカーブの9・6インチにつぐ、9・1インチ(約23センチ)だった。

 これに加えて、他の球種も良くなっていく。シンカー、スィーパーで主に低目に投げていたのだが、4シームで目線を変え高目も攻めていく。4シームが使えれば、左打者に対し、チェンジアップも有効になる。20年当時と違い、武器が増え、いろんな攻め方ができるようになった。四隅に投げ分けるコントロールもある。昨季4つの球種で三振率26%以上は、他にはマックス・シャーザーだけ。8月24日から先発専任となり、8試合に登板、38・1回を投げ、防御率1・88、48奪三振、9四球と相手打者を圧倒した。

 昨オフ、フアン・ソトのトレードで、パドレスに移籍。シルト監督はキングに大きな期待を寄せる。「変化球は良いし、直球にも力がある。どの球種でも打ち取れる。テンポも良い」とべた褒めだ。気になるのは初のフルシーズン先発投手起用で、体力がもつのかどうか。これまで一番多くイニングを投げたのは23年の104・2回だった。本人は「ルーティーンが決まっているし、シーズンを通して良いコンディションを保つのは先発の方がやりやすいはず。180~2百イニングは投げたい」と意気込む。

 さてそのキングだが、大谷翔平とは過去の対戦は5打席で、2本塁打、2奪三振の内容。やるかやられるかだ。21年6月28日は先発で、第1打席は得意のスィーパーだったが、打球速度117マイルの右翼への弾丸ライナーと被弾、ミサイルのような打球だった。2打席目は左中間への飛球、3打席目は96マイルの高め直球で空振り三振。昨季23年はリリーフ登板で、4月19日は5回、95マイルの内角高めの直球で空振り三振。7月17日は97マイルの直球で、捕手は外角高めに構えていたが、外角ベルト付近で、大谷は会心のスイングで左中間への同点本塁打とした。2人のガチ対決は桁外れのパワーと高い技術が正面からぶつかり合う。見逃せないものだ。

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