キラー・カーン急死 29日自身経営の居酒屋で接客中意識失い…

2023年12月31日 04:45

格闘技

キラー・カーン急死 29日自身経営の居酒屋で接客中意識失い…
86年、ラッシャー木村(左)にモンゴリアンチョップを見舞うキラー・カーン(東京スポーツ提供) Photo By 提供写真
 「蒙古(もうこ)の怪人」などの異名で米マットでトップヒールとして活躍した元プロレスラー、キラー・カーンこと小沢正志(おざわ・まさし)さんが29日に動脈破裂のため死去した。76歳だった。新潟県出身。大相撲から転向し、新日本プロレスなどで活躍。81年にはアンドレ・ザ・ジャイアントの足を折り、全米にその名をとどろかせた。引退後は飲食業を営んでいたが、勤務中に倒れて帰らぬ人となった。葬儀・告別式は近親者のみで執り行い、後日お別れの会を検討している。
 突然の悲報だった。小沢さんが東京・西新宿で経営する「カンちゃんの人情酒場」の関係者によると、小沢さんは主に接客を担当。普段であれば午後1時ごろに出勤するはずが、29日は午後4時ごろ店に姿を見せ「疲れた。首が痛い」と体調不良を訴えていたという。接客中だった午後8時半ごろ、頭が下がり机に伏せるような状態となったため病院へ救急搬送され、そのまま帰らぬ人となった。

 日本よりも米国マットで大成功を収めたレスラーだった。大相撲では幕下まで出世したが70年5月に廃業しプロレスに転身。日本人離れした大柄な体を武器に、モンゴル人ギミックのヒールとしてWWF(現WWE)など全米の主要マットで大暴れ。81年5月にはアンドレ・ザ・ジャイアントの足を折って一躍トップヒールとして名をはせた。奇声を発しながら両手を相手の首に振り下ろす「モンゴリアンチョップ」、豪快な「ダブルニードロップ」などは「アルバトロス殺法」と呼ばれた。日本では82年の「MSGシリーズ」でアントニオ猪木の負傷で繰り上がりで優勝決定戦に進出し、アンドレ・ザ・ジャイアントと大熱戦。敗れはしたが、大巨人と対抗できる唯一の大型ファイターの本領発揮の場となった。

 引退後は音楽活動に加え、都内で居酒屋を経営。05年には「ふるさと真っ赤っか」で歌手デビューした。歌唱力には定評があり、レパートリーは200曲以上。十八番は親交のあった尾崎豊さんの「I LOVE YOU」だった。順風だった第二の人生もコロナ禍の影響で21年に「居酒屋カンちゃん」を閉店。20年に自転車事故で「ひき逃げ」と報道され、昨年にS状結腸がんで手術と不幸が続いたが、76歳の誕生日だった今年3月6日には通算10店目となる現店舗をオープンさせるなど再出発に意欲を示していた。

 小沢 正志 1947年(昭22)3月6日生まれ、新潟県西蒲原郡吉田町(現燕市)出身。中学卒業後に大相撲の春日野部屋に入門し、越錦の四股名で幕下40枚目まで番付を上げたが70年夏場所限りで廃業。日本プロレスに入門し71月6月の木戸修戦でデビューし73年に新日本へ移籍。79年に米本格進出とともにモンゴル人設定の「キラー・カーン」に変身し、トップヒールとして活躍。87年に引退し音楽活動をしながら都内で居酒屋を経営。映画、テレビドラマにも出演した。現役時代は1メートル95、185キロ。得意技は「モンゴリアンチョップ」「ダブルニードロップ」。

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