ミュージカル「ジョジョ」開幕日2度延期で謝罪スタート 東宝本部長「製作体制における見通しの甘さ」

2024年02月13日 05:00

芸能

ミュージカル「ジョジョ」開幕日2度延期で謝罪スタート 東宝本部長「製作体制における見通しの甘さ」
ミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」の開演前、帝国劇場の前に列を作る入場者たち Photo By スポニチ
 今月6日の開幕日が2度延期になったミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」が12日、東京都千代田区の帝国劇場で初日を迎えた。11日までの7公演が中止。開演前に製作の東宝の常務執行役員演劇本部長、池田篤郎氏が舞台上で謝罪する異例の幕開けとなった。延期の理由とされる複雑な演出も多かったが、観客からは「ジョジョの世界を再現できていた」などと評価する声が上がった。
 注目の舞台は、東宝演劇部門の幹部の謝罪で始まった。舞台袖で池田氏は「ご観劇前の貴重なお時間にお邪魔をいたしまして、申し訳ございません。私ども東宝株式会社の製作体制における見通しの甘さ、また不行き届きによりまして」などと頭を下げた。再発防止を誓うと、会場からは拍手が起こった。

 開幕延期の理由について東宝はこの日も詳細は発表しなかったが、演劇関係者によると「演出が複雑で、舞台稽古が予定通り進まなかったことによる」という。その言葉通り、舞台では大きな壁や、高さ3~4メートルの階段のセットが、それぞれ大きく回転。ステージ後方には大きな穴があり、そこから出演者が階段のセットに出入りするなど、動きが複雑だった。第1幕の最終盤では、主人公ジョジョのライバル、ディオ役の宮野真守(40)がワイヤアクションをするなど、出演者はステージの上下左右と動きっぱなしだった。

 舞台稽古が進まず、11日まで幕を開けられなかったことについて舞台関係者は「演出がとにかく複雑で、演出家がプランを確立できないようだった。脚本家との間にも齟齬(そご)が生じ、キャストに演出の指導がうまくできなかった」と話す。安全確認に多くの時間が割かれた面もあったという。終盤には、たいまつがたかれる中で出演者が激しく動く場面があるが「衣装に火が付かないか、スタッフから心配の声が上がった」。この日の初回公演に向けた通し稽古でも「4、5回止まった。本当に幕が開くのかどうかも分からない状態で、みんな冷や汗が止まらなかった」という。

 初回のカーテンコールでは、主演の松下優也(33)と宮野が舞台中央で熱い抱擁を交わした。松下は「7公演をお届けできなかったのは正直心苦しいし、悔しい。これから一公演、一公演を最高のパフォーマンスでお届けしたい」とあいさつ。観客はスタンディングオベーションを送った。帝国劇場での公演は28日まで。その後、3月に札幌、4月に兵庫で上演が予定されている。

おすすめテーマ

2024年02月13日のニュース

特集

芸能のランキング

【楽天】オススメアイテム