ミュージカル「ジョジョ」開幕日2度延期で謝罪スタート 東宝本部長「製作体制における見通しの甘さ」
2024年02月13日 05:00
芸能
開幕延期の理由について東宝はこの日も詳細は発表しなかったが、演劇関係者によると「演出が複雑で、舞台稽古が予定通り進まなかったことによる」という。その言葉通り、舞台では大きな壁や、高さ3~4メートルの階段のセットが、それぞれ大きく回転。ステージ後方には大きな穴があり、そこから出演者が階段のセットに出入りするなど、動きが複雑だった。第1幕の最終盤では、主人公ジョジョのライバル、ディオ役の宮野真守(40)がワイヤアクションをするなど、出演者はステージの上下左右と動きっぱなしだった。
舞台稽古が進まず、11日まで幕を開けられなかったことについて舞台関係者は「演出がとにかく複雑で、演出家がプランを確立できないようだった。脚本家との間にも齟齬(そご)が生じ、キャストに演出の指導がうまくできなかった」と話す。安全確認に多くの時間が割かれた面もあったという。終盤には、たいまつがたかれる中で出演者が激しく動く場面があるが「衣装に火が付かないか、スタッフから心配の声が上がった」。この日の初回公演に向けた通し稽古でも「4、5回止まった。本当に幕が開くのかどうかも分からない状態で、みんな冷や汗が止まらなかった」という。
初回のカーテンコールでは、主演の松下優也(33)と宮野が舞台中央で熱い抱擁を交わした。松下は「7公演をお届けできなかったのは正直心苦しいし、悔しい。これから一公演、一公演を最高のパフォーマンスでお届けしたい」とあいさつ。観客はスタンディングオベーションを送った。帝国劇場での公演は28日まで。その後、3月に札幌、4月に兵庫で上演が予定されている。