藤井正弘の血統トピック藤井正弘の血統トピック

英3冠完全制覇…父日本産馬の“黄金時代”

2023年09月20日 05:30

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 16日にドンカスター競馬場で行われた英セントレジャーを日本生まれのハーツクライ産駒コンティニュアスが快勝した。オーギュストロダンの英ダービーから3カ月余り。今年は日本競馬が範を取った英国競馬の牡馬クラシックの3分の2を日本産種牡馬の産駒が制したことになるわけだ。ちなみにオーギュストロダンが取り逃した英2000ギニーは、18年にディープインパクト産駒のサクソンウォリアーが優勝しており、これで父日本産馬による“英3冠完全制覇”。日本競馬が血統面においても黄金時代を迎えたことを改めて実感させられる。
 第247代英セントレジャー馬コンティニュアスは、前記サクソンウォリアー同様、クールモアグループがえりすぐりの繁殖牝馬を日本に送り込んで生産した逆輸入馬。17年から繁殖入りした母のフラッフはサクソンウォリアーの母メイビーの全妹で、2年連続でディープインパクトの牡馬、つまりサクソンウォリアーと血統構成が完全に一致するいとこを産んでいた。19年も交配予定だったディープインパクトの体調悪化により代役を務めたのがサンデーサイレンス後継で母系にリファールの血を持つ点も共通するハーツクライ。オーナーサイドには苦肉の策が超特大の代打ホームランにつながった形である。

 コンティニュアスは中1週で凱旋門賞参戦の可能性もあるという。ハーツクライの母の父トニービンは35年前の優勝馬。災い転じて福、はまだ続くかもしれない。 (サラブレッド血統センター)

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