藤井正弘の血統トピック
米国遠征マンダリンヒーローの“血”が騒ぐ
2023年03月08日 05:30
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大井の藤田輝信厩舎に所属する3歳牡馬マンダリンヒーロー（父シャンハイボビー、母ナムラナデシコ、母の父フジキセキ）の米国遠征が発表された。ターゲットは4月8日（日本時間9日）にサンタアニタパーク競馬場で行われるサンタアニタダービー（G1、ダート9F）。同レースには長年、サンタアニタパークと友好提携関係にある大井競馬場からの出走枠が5年前に設けられており、今回、ハイセイコー記念優勝、雲取賞2着などで規定ポイントを獲得したマンダリンヒーローが出走馬に選出されたものだ。
マンダリンヒーローの父のシャンハイボビーは12年にサンタアニタパークで行われたBCジュべナイルの覇者。母の父フジキセキの父サンデーサイレンスは34年前、サンタアニタダービーの記録的大勝でスターダムにのし上がった。血統的にはホームグラウンドともいえるサンタアニタパークへの遠征だが、地方所属馬の海外ダートGレース挑戦は史上初となる。ちなみに地方馬に限らず、日本調教馬として初めて海外のダートGレースに出走した馬は95年、米アケダクト競馬場ダート7FのG2ディスタフHで3着に入線したクロフネミステリー。国内でも重賞経験のなかった同馬の健闘は当時、ダートグレード競走創設前夜だった日本のダート競馬の可能性を示唆するものとなった。マンダリンヒーローはクロフネミステリーの半妹タイキミステリーの孫にあたる。一族に通底するパイオニアの血が騒ぐかもしれない。 （サラブレッド血統センター）
