藤井正弘の血統トピック藤井正弘の血統トピック

次は愛ダービー?ディープインパクト産駒の止まらない偉業

2023年06月07日 05:30

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 ライブ中継を見ながら思わず声が出た3日の英ダービー(エプソム競馬場)。先に抜け出した伏兵キングオブスティールを、まさに飛ぶような末脚で差し切ったオーギュストロダン(牡3=愛A・オブライエン)のパフォーマンスには、確かに父ディープインパクトの幻影が重なって見えた気がする。1年前の当欄で取り上げた“最後の傑作候補”は、英2000ギニー12着大敗からの歴史的逆襲を含め、まるでデビュー前からシナリオが用意されていたかのような大団円で第244代英ダービー馬の座に就いた。これで種牡馬ディープインパクトは全13世代がクラシック制覇を達成。この父の種牡馬記録における“決定力”には本当に驚かされる。
 記録といえばオーギュストロダンの英ダービーは、ディープインパクト産駒の記念すべきパート1G1(国際セリ名簿作成基準書=通称ブルーブック掲載の公認G1競走)100勝目でもあった。12年仏1000ギニーのビューティーパーラーに始まり、18年仏ダービーのスタディオブマン、18年英2000ギニーのサクソンウォリアー、20年仏オークスのファンシーブルー、21年英、愛オークスのスノーフォールと、3カ国のクラシックを含む欧州圏でのG1勝利は累計12勝。これを通算わずか59頭の出走産駒によって記録したのだから凄い。ちなみにオーギュストロダンと同じエイダン・オブライエン厩舎には前記サクソンウォリアーの全弟ドラムロールがいる。5月28日の愛G3ガリニュールSで重賞初勝利を挙げた同馬の次走には、愛ダービー(7月1日、カラ芝2400メートル)も選択肢に入っている。「101勝目」もダービーで、ということになるかもしれない。
 (サラブレッド血統センター)

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