【高校ラグビー】登録15人の高松北、笑顔のち涙…待望初勝利も1人負傷で無念2回戦棄権

2023年12月28日 06:00

ラグビー

【高校ラグビー】登録15人の高松北、笑顔のち涙…待望初勝利も1人負傷で無念2回戦棄権
<高松北・倉吉東>初戦を突破して喜びを爆発させる高松北フィフティーンだったが…(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【全国高校ラグビー1回戦   高松北48―3倉吉東 ( 2023年12月27日    花園ラグビー場 )】 開幕し、1回戦9試合が行われた。2大会連続出場の高松北(香川)は48―3で倉吉東(鳥取)を下し、出場15度目で待望の初勝利を挙げた。だが、負傷者が出て登録選手が15人に満たなくなり、規定により2回戦は棄権となった。6度の優勝を誇るノーシードの天理(奈良)は14―7で早実(東京第1)を撃破。2回戦でBシードの関大北陽(大阪第1)と対戦する。静岡聖光学院は秋田工に快勝。元日本代表WTB小野沢宏時氏(45)の長男、FB謙真(3年)が4トライを含む31得点と躍動した。
 高松北が出場15度目の花園で待望の初勝利を挙げた。同校にとって歴史的な1勝を支えたのは、4人の野球部員だ。ラグビー部は夏までわずか11人。主将のFB普門が「一緒に花園、目指さへんか?」と今夏の香川大会で8強入りした野球部員を勧誘し、投手だった小倉ら4人が加入した。登録メンバーは15人。ギリギリの人数で聖地の芝を踏んだ。

 序盤から主導権を握り、14―3とリードした前半12分にアクシデントに見舞われた。夏は中軸を務める内野手だったCTBの三浦が負傷退場。以降は、14人での戦いを余儀なくされた。苦境に立たされたが「(三浦)駿佑の分もチームを勝たせたい」とロックの小倉らが奮起。前後半3つずつ、計6トライを重ねて突き放した。

 ピッチ内で勝利を告げるホイッスルを14人で聞いた後、つらい現実も待っていた。三浦の負傷で登録選手が15人に満たなくなったため、申し合わせ事項により、30日の2回戦は棄権することになった。15人に満たずに大会途中で棄権したチームは史上初だ。高木智監督は取材に応じ「今日の勝利は選手たちの力。ケガをした生徒が一番つらい思いをしていると思う」と選手の心中をおもんぱかった。

 残念な結末とはいえ、聖地に刻んだ快挙は色あせない。県勢では2001年度の坂出工以来22大会ぶりの勝利だ。同じように部員不足に悩む全国の高校に勇気と希望を与える60分間だった。「始めたての時はタックルが怖かったけど、徐々に克服できた。全国を経験できて、今は本当に入って良かったなと思っている」と小倉。誇らしげな表情で聖地を去った。 (松本 航亮)

 ○…全国高校ラグビー大会の実行委員会は27日、1回戦で勝った高松北が30日の2回戦を棄権すると発表した。試合で負傷者が出たため登録選手が15人に満たなくなった。登録選手が15人に満たずに大会途中で棄権したチームは大会史上初めて。全国高等学校体育連盟ラグビー専門部申し合わせ事項の「試合開始時の人数」の項目に「公式戦においては、試合開始時に両チームともに15名が競技区域にいなければならない」と明記されている。過去には体調不良を理由に棄権した例などがある。

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