【高校ラグビー】25大会ぶり2度目の出場の北越は大敗も、終了間際に意地の1トライ

2023年12月28日 18:32

ラグビー

【高校ラグビー】25大会ぶり2度目の出場の北越は大敗も、終了間際に意地の1トライ
<明和県央・北越> 試合に敗れた北越フィフティーン (撮影・後藤 大輝) Photo By スポニチ
 【第103回全国高校ラグビー1回戦   北越5ー54明和県央 ( 2023年12月28日    花園ラグビー場 )】 25大会ぶり2度目の出場の北越は、2大会連続10度目の出場の明和県央(群馬)に5―54で敗れ、花園初勝利はならなかった。ラインアウトからのモールでトライを重ねられ、前半だけで5トライを献上。後半も劣勢だったが、ラスト1プレーでWTB小菅優斗(2年)が左隅にトライを決め、意地を見せた。
 最後に一矢報いた。スコアボードに「5」がともる。25大会ぶりに花園に帰ってきた北越が、聖地に足跡を残した瞬間だった。フッカー大橋武生主将(3年)は「最後に自分たちが取り組んできたことは出せたと思います。1、2年生はこの経験を生かして、また花園に出てほしい」と涙をこらえながら、後輩にエールを送った。

 0―54。すでに後半も30分を過ぎていた。プレーが切れた瞬間に試合が終わるのは分かっていた。敵陣深くからのマイボールラインアウト。FW陣が磨き上げてきたモールでゴールラインに迫る。最後は左に展開。相手を2人引きつけたFB中坪太智(3年)からのオフロードパスを受けたWTB小菅が、豪快に左隅に飛び込みトライを奪った。

 「一秒でも長く3年生とラグビーがしたい」。後半から出場した小菅は、そんな思いでプレーしていたという。1メートル84、88キロの堂々たる体格。花園予選では準決勝までスタメンだったが、決勝はベンチで見守った。「出られないのはとても悔しかったです。でも3年生の勝利に対する執念を見せてもらいました」。この日はトライの瞬間、駆け寄った3年生たちとがっちりと抱き合い、喜びを分かち合った。お世話になった3年生に最後の最後で恩返しできた。

 増田宇宏監督は「花園という場所は難しい場所なんだな、ということを学ばせてもらいました」と試合結果については無念そうな表情を浮かべた。それでも選手の思いが詰まった最後のシーンには「この先の北越高校の歴史につながるようなトライだったと思います」と奮闘をねぎらった。

 試合後のミーティング。スクールカラーの青い必勝だるまの目は、片目のままだった。「目標を達成した時に目は入れます」と指揮官は言う。「12月30日の2回戦の前半で競った試合をする」。その目標を果たし、来年こそ目入れの儀式を行う。 

おすすめテーマ

2023年12月28日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム