市西宮、60年ぶり4強ならず 旋風止んで涙「いい夏を楽しめた」

2023年07月23日 20:01

野球

市西宮、60年ぶり4強ならず 旋風止んで涙「いい夏を楽しめた」
敗戦後、応援団や関係者にあいさつする市西宮の選手たち Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権兵庫大会準々決勝   市西宮1―10滝川二 ( 2023年7月23日    明石トーカロ球場 )】 1―7と6点ビハインドの7回表、4番手で登板した市西宮の背番号「1」赤井翔太(3年)は7点差のコールド阻止はもちろん「流れを変える」と誓っていた。5人目の投手でブルペンにいた西端隼平(3年)にバトンを渡したかった。「だから力んでしまって」と2死後に3失点。その裏の攻撃が最後となり、コールドで敗れた。
 「次へ、次へ……とつなぐ総動員のつもりでした」と吉田俊介監督は早めの継投策を練っていたが「打撃、走塁のプレッシャーに投手も守備もあわててしまった」。

 甲子園出場した1963(昭和38)年以来、60年ぶりとなる4強進出はならなかった。

 初戦は9回2死、最後の打者が三振しながら振り逃げで生き残り、逆転勝利。快進撃で4勝をあげた旋風は止んだ。

 「力の差はありました」と完敗を認めた主将の小野颯真(3年)は「どれだけ劣勢でもあきらめず、ベンチでみんなが大声を出していた。派手さはないが泥臭く戦えた」と胸を張った。

 先発登板した下田弘太(3年)は「誰1人欠けてもここまで勝てなかった。最高の仲間でした」と話した。1年前、自分たちで決めたチームスローガンの「和――勝利への執念」を貫いた。

 敗戦後、しばらくベンチで泣き、応援団にあいさつして泣いた。涙が乾いた赤井は「もちろん悔しいですが、これはみんなへの感謝の涙です。楽しめました」と笑った。

 初戦から2週間。長くて、熱い、いい夏だった。(内田 雅也)

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