文星芸大付が16年ぶり11度目の聖地切符 「やらかした」黒崎の挽回劇弾「「自分が歴史を変えた」

2023年07月26日 05:00

野球

文星芸大付が16年ぶり11度目の聖地切符 「やらかした」黒崎の挽回劇弾「「自分が歴史を変えた」
<文星芸大付・作新学院>9回、サヨナラ本塁打を放った文星芸大付・黒崎はガッツポーズ(撮影・郡司 修) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権栃木大会決勝   文星芸大付6-5作新学院 ( 2023年7月25日    栃木県総合運動公園 )】 第105回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は25日、24大会で47試合が行われた。栃木大会決勝では文星芸大付・黒崎翔太捕手(3年)が9回にサヨナラソロ本塁打。今春選抜8強の作新学院を下し16年ぶり11度目の甲子園出場を決めた。
 やらかした…、からの歓喜のサヨナラ弾だ。5―5の9回1死。文星芸大付の5番・黒崎の打球が、真夏の青空に吸い込まれた。16年ぶり11度目の甲子園を決める、野球人生初の左越えサヨナラ本塁打。「自分が歴史を変えた。本当にうれしい」と破顔一笑だ。

 直前には「あと1球」からのフライングで真っ青になっていた。1点リードの9回2死二塁。磯圭太(3年)への5球目、2番手・堀江正太郎(2年)の直球は、内角にズバリときた。「ストライクだ!」。捕手の黒崎は三振だと勘違い。観客も含めて球場の中で一人だけ喜ぶ早とちりで、審判のコールの前にガッツポーズでマウンドへ駆けだした。判定はボール。球審に「早まるな」と注意され、磯には7球目を同点中前打された。

 「やらかした…。自分で取り返すしかない」。言葉通り、バットで決着をつけた。自他共に認めるおっちょこちょい。1年時にも「やらかした」ことがある。ある日の試合後、寄り道禁止の規則を破りJR宇都宮駅のコーヒー店へ。これがバレて、高根沢力監督に野球部を「やめろ!」と激怒された。練習を3日間休んだが「死ぬ気でやります。男と男の約束です」と謝罪。チームに戻った。「作新を倒すために、この日のために文星に入学した。野球を続けて良かった」と喜んだ。

 「頭が真っ白になった。劇的すぎる」と指揮官は号泣。自身も捕手出身で、三菱ふそう川崎時代の03年都市対抗野球では、故野村克也監督率いるシダックスに決勝で逆転勝ちして優勝した。指揮官から捕手のいろはを学ぶ黒崎は「甲子園では審判のコールをしっかり聞きます!」。笑顔でそう誓った。(鈴木 勝巳)

 ◇黒崎 翔太(くろさき・しょうた)2005年(平17)9月16日生まれ、宇都宮市出身の17歳。小2の時に軟式で野球を始め、小3から捕手。文星芸大付では2年春にベンチ入り。好きな選手はソフトバンク・甲斐で「育成から努力を重ねた姿がかっこいい」。家族は両親と姉。1メートル77、75キロ。右投げ右打ち。

 ▼作新学院・小針崇宏監督(2年ぶり17度目の甲子園はならず)9回は3年生の意地と粘りが出た連打だった。(サヨナラ弾を浴びた磯は)全試合に登板して、エース以上の活躍をしてくれた。打たれたけどいい投球だった。

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