鳥栖工の“ヒーロー”松延兄弟が甲子園導いた 弟・響リリーフ3回無失点&兄・晶音が好リード

2023年07月26日 04:30

野球

鳥栖工の“ヒーロー”松延兄弟が甲子園導いた 弟・響リリーフ3回無失点&兄・晶音が好リード
鳥栖工は捕手の松延晶と背番号10の松延響のバッテリーが、零封リレーを締めくくり、抱き合う Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権記念佐賀大会決勝   鳥栖工7―0神埼清明 ( 2023年7月25日    佐賀県立 )】 がばい兄弟バッテリーが、鳥栖工を初の甲子園へと導いた。5―0の7回だ。背番号10の松延響(1年)がマウンドへ上がる。捕手で兄の晶音(あぎと、3年)のミットめがけてこの日、最速141キロの直球でぐいぐい、押した。3回無失点。9回2死一、二塁、最後の打者を三振に仕留めると、一番に抱き合い、兄は弟の体重を支えきれずに崩れた。
 「思った以上に(響が)でかかったですね。最高でした」と、1メートル76、73キロの弟から押しつぶされる形になった兄は苦笑いした。

 「あぎと」と「ひびき」。由来は違えど、歴代仮面ライダーのような名を持つ兄弟が、優勝の原動力だった。昨年の秋季大会、3月の春季大会ともに初戦敗退のチームに最速142キロの響が「兄ちゃんとバッテリーを組みたい」と入学。今夏初戦は全国制覇の経験があるシードの佐賀北が相手だったが、弟は同点の5回から5回3安打無失点のロングリリーフで競り勝つなど、今夏は4試合14回で自責点1の防御率0・64と抜群の安定感を誇る。入学直後の4月に響をリリーフに固定した大坪慎一監督は「勝ちパターンができた」と信頼を寄せている。

 「あぎと」はアニメ「銀色の髪のアギト」から付けていたが、仮面ライダーを後から知り「ひびき」につながった。父・慎一郎さん(39)は「そういえば仮面ライダーの変身ベルトはばあちゃんに買ってもらって、遊んでいましたね」と振り返る。鳥栖市内の自宅では今も一緒に風呂に入り、配球など話し込む仲良し兄弟はノーシードだった鳥栖工のヒーローになった。

 「1年生から甲子園の舞台に立てる。感謝して投げたい」と響。晶音は「頼もしい弟です」とにっこり。2013年の有田工が勝って以来、夏の甲子園では初戦敗退の続く佐賀勢にとっても救世主になるかもしれない。(福浦 健太郎)

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