快進撃の和歌山北、創部初の決勝進出 体操の名門 バッテリー「最後まで攻める気持ちを忘れなかった」

2023年07月26日 18:30

野球

快進撃の和歌山北、創部初の決勝進出 体操の名門 バッテリー「最後まで攻める気持ちを忘れなかった」
<和歌山北・桐蔭>勝利を喜ぶ和歌山北の七野-村上のバッテリー Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権和歌山大会準決勝   和歌山北8―2桐蔭 ( 2023年7月26日    紀三井寺 )】 最後の打者を遊ゴロに打ち取ると、和歌山北の七野立季(りつき=3年)―村上陽輝(はるき=3年)のバッテリーはグラブとミットを合わせ、喜びを分かち合った。
 「最後の最後まで攻める気持ちを忘れずに向かっていった」と七野は言った。背番号は「8」。先発で右翼を守り、4回無死二塁から救援登板した。6回を4安打無失点の好投だった。

 少々荒れ球だが、辻本仁嗣監督(55)は「それが彼の持ち味」と言う。時折、ボールが先行したが「2ボール、3ボールになっても、攻める気持ちはなくさなかった」と七野は「攻め」を強調した。与えた3四球も気にしていない。

 リードした捕手で主将の村上は「七野はストライクさえ入れば大丈夫。球威があって打たれない」と信頼を寄せる。130キロ台中盤の速球で桐蔭打線を圧倒した。

 2人は中学生時代、ともに硬式の和歌山シニアでプレーしていた。「でも、2人とも主に外野手。ピッチャー、キャッチャーを本格的にやり始めたのは高校から」と七野は言う。特に有名選手でもなかったそうだ。村上によると「部員の多くは中学時代は軟式出身」。和歌山北は野球ではほとんど無名だった。

 県内唯一のスポーツ健康科学科(旧・体育科)がある。特に体操が有名で、2012年ロンドン五輪出場の田中和仁、理恵、佑典の3きょうだいを輩出。16年リオデジャネイロ五輪にもOB3人が出場している。

 和歌山北には野球部はなかった。2012年、和歌山西と統合となり、同校野球部を引き継ぐ形となった。つまり、今回は和歌山西開校の1984(昭和59)年の創部以来初のベスト4、そして決勝進出だった。

 快挙だが、七野は「多くの方々が喜んでくれているのは、うれしい。でも、これに浮かれずにやっていきたい」と気を引き締めた。

 今夏は組み合わせ抽選で開幕試合を引き当て、辻本監督は「最初から最後まで、6試合を戦うぞ」と選手にハッパをかけた。それは実現した。

 2018年秋に就任した辻本監督は海南OBで中京大卒。社会人でもプレーした。市和歌山との決勝(28日)に向け「相手は強敵だが、自分たちの野球をするだけ。できることをしっかりやりたい」と、普段の姿勢を崩さなかった。

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