阪神・佐藤輝 “天敵”攻略で首位死守 「森下バット」で3戦連続適時打「普通にいっても打てへんから」

2023年07月27日 05:45

野球

阪神・佐藤輝 “天敵”攻略で首位死守 「森下バット」で3戦連続適時打「普通にいっても打てへんから」
<神・巨>7回、佐藤輝は同点の左前適時打を放つ(撮影・須田 麻祐子)  Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神8―5巨人 ( 2023年7月26日    甲子園 )】 “天敵”攻略で首位死守!阪神・佐藤輝明内野手(24)が26日、巨人戦の7回1死一、二塁で高梨から同点左前適時打を放って試合を振り出しに戻し、逆転劇を演出した。左腕から通算9打席目の対戦で叩きだした初安打で、3試合連続適時打をマークした。この日は先制劇の口火も切るなど、負けていれば2位転落だった試合で勝利に大きく貢献。チームは同一シーズンでは1994年以来29年ぶりに、甲子園での巨人戦6連勝を飾った。
 幾度も苦杯をなめさせられた“天敵”を、ついに仕留めた。しかも勝負どころで、だ。試合後の佐藤輝は、左腕・高梨からの初安打の喜びをかみしめた。

 「いや~めっちゃうれしいですね。うれしい。一本も打ってなかったんで、良かったです」

 1点劣勢の7回1死一、二塁。自らに打席が巡ってくると、巨人は左対策として高梨を投入してきた。佐藤輝にとっては、ここまで通算8打席で7打数無安打4三振と、大の苦手にしてきた相手だ。

 「そういう投手を打てたのがよかった」

 左腕が2日の対戦で近本に与えた死球への因縁から、聖地は怒号が飛び交う異様な雰囲気が漂った。半面、佐藤輝のコールには大歓声が巻き起こった。背番号8は背中を押す虎党の声援に応えるかのように2球目の143キロ直球を強振。三遊間を破る左前適時打で、同点の走者である二走・中野を生還させた。

 逆転劇を演出した千金打。岡田監督からも称賛された。「あそこは絶対、左(投手)がくる。だいぶタイミングもいいし、左が来ても打つかなと、そういう感じで見ている」。時に辛口の指揮官から、この日ばかりは太鼓判を引き出した。

 低迷を脱却するきっかけがあった。「バットを替えたんで、それじゃないですかね」。23日ヤクルト戦の第4打席から森下のバットを使用している。「適当です。横にいたんで、森下が。これ使ったら打てるかなって」。これまでの野球人生を通じても他人のバットで試合に出ることが「あまりなかった」という和製大砲。いわば“苦肉の策”が当たった格好だ。

 「打てる気がしなかったんで。普通にいっても打てへんから、(バットを)替えたら変わるかなと思って」

 自らが使っていたバットに比べて「ちょっとバランスがヘッドの方にある」森下のバットを使い始めてから、10打数5安打3打点。この日も殊勲の一打をたたき出し「森下、ありがとう」と笑ってみせた。

 この日は2回の先制劇の口火も切り、甲子園での巨人戦6連勝に大きく貢献。きょう27日も勝てば、球団最長タイに並ぶ。「もちろん一戦一戦勝つつもりでやっているんで。しっかり頑張ります」と締めた背番号8。次戦も、伝統の一戦で主役を演じる。(阪井 日向)

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