【甲子園】日大三・安田 完封一番乗り!「人生を変えてもらった恩人」三木監督に5年ぶり夏勝利贈る

2023年08月10日 05:00

野球

【甲子園】日大三・安田 完封一番乗り!「人生を変えてもらった恩人」三木監督に5年ぶり夏勝利贈る
<日大三・社>日大三・先発・安田(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権記念大会第4日1回戦   日大三3―0社 ( 2023年8月9日    甲子園 )】 1回戦4試合が行われ、日大三(西東京)は安田虎汰郎投手(3年)が被安打2で今大会完封一番乗りで社(兵庫)を3―0で下した。
 芸術的な軌道に自らも見とれた。唯一得点圏に走者を背負った7回2死二塁。日大三のエース・安田が決め球に選んだのは得意のシンカーだ。イメージ通り低めに沈め空振り三振。106球を投じ、わずか2安打で今大会初、自身公式戦初の完封を果たし「あの一球は芸術的でした。最高です」と振り返った。

 「人生を変えてもらった恩人なので、勝ちを贈りたかった」

 今春から指揮を執る三木有造監督への思いも胸に先発マウンドに立った。強豪校からのオファーがなく、進学先を地元の千葉の公立校に決めていた中学3年の6月、練習場に現れたのが当時部長だった三木監督だった。投球練習を視察して能力の高さを見抜いたが一番は「顔つきです。真面目そうで。直感ですね」と振り返る。「一緒に頑張ろう」と安田と握手を交わした。

 三木監督の想像通り、安田は努力を重ねた。直球は130キロ台中盤だが、切れを出すために練習後の3キロ走が日課。11年夏の甲子園の優勝投手で憧れでもあるOBの吉永健太朗氏からは1月に直接シンカーの指導を受け「変化量やスピードが変わった」と自信を深めた。この日も最速139キロながらスピンの利いた直球にシンカーを交え5回2死まで完全投球。最大のピンチだった7回は脚も右腕もつっていたというが「気迫で投げた」と伝家の宝刀で切り抜けた。

 春夏合わせて39度目の甲子園で、夏は5年ぶりの勝利で聖地通算55勝目。憧れの先輩以来の日本一を目指す安田は「三木監督にもまだまだ勝ちを贈りたい」と力を込める。恩返しの夏が、始まった。(村井 樹)

 ◇安田 虎汰郎(やすだ・こたろう)2005年(平17)5月27日生まれ、千葉県出身の18歳。湊小2年から野球を始め、鴨川中時代は袖ケ浦リトルシニアに所属。日大三では1年秋からベンチ入りし、昨夏の甲子園も経験した。憧れの選手は元阪神・村山実。50メートル走6秒3、遠投100メートル。1メートル76、76キロ。右投げ左打ち。

 ≪名将・小倉前監督 アルプスから声援≫01年夏、11年夏の2度の優勝など関東第一時代も含め甲子園通算37勝を挙げ、今年3月末に定年で退任した日大三の小倉全由前監督が一塁側アルプス席で見守った。小倉監督が指揮した昨夏の甲子園では初戦敗退。「去年は校歌が歌えなかったから、今日、歌えてよかった。選手はよくやったし、三木監督に1勝を届けられてよかった」と喜んだ。

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