阪神・梅野が6連勝導く決勝「中ゴロ」 詰まりながら中堅手前でポトリ「最高の仕事ができた」

2023年08月10日 05:15

野球

阪神・梅野が6連勝導く決勝「中ゴロ」 詰まりながら中堅手前でポトリ「最高の仕事ができた」
<巨・神> ヒーローインタビューを終えファンの声援にこたえる梅野(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神5-2巨人 ( 2023年8月9日    東京D )】 阪神を6連勝へと導く梅野の決勝打は「中前適時打」ではなく「中ゴロ」と記録された。だが勝ち越し打に変わりはない。2―2で迎えた延長11回1死満塁。ビーディのツーシームに詰まりながら、執念で中堅・ブリンソンの前に打球を落とした。二塁走者・島田が三塁で封殺されたものの、三塁走者・大山が決勝のホームイン。貴重な1点を生み出した。
 「どういう結果であれ、初球からスイングしていこうと。ファーストストライクから振っていくことで、いい3点目が入った。最高の仕事ができた」

 1死二、三塁で、前を打つ佐藤輝が申告敬遠で一塁へ歩かされた。自身との勝負を選択した巨人ベンチに、一泡吹かせたい一心で、初球ツーシームを豪快に空振り。だが2球目の同じツーシームは執念でバットに当てた。この一打だけではない。この夜は随所に正捕手の意地を見た。

 0―0の7回1死一、二塁では、グリフィンから値千金の先制左前打。一塁塁上で両手を高々と突き上げ「先制点が欲しかったところで、みんなでつないでくれたチャンス」。試合前時点で対巨人戦打率が・027(37打数1安打)と苦しんでいた男が気を吐いた。

 だが、直後の守備で悪夢が訪れる。2死無走者からブリンソンを左中間への凡飛に打ち取った…と思いきや、左翼・島田と中堅・近本が交錯し、島田が落球。続く代打・中田翔に逆転2ランを浴びた。一気に崩れてもおかしくない状況でも、梅野が救援陣を支え、踏ん張った。8回に中野の一発で同点に追い付くと、その裏は島本、9回はケラー、延長10回は加治屋。サヨナラ負け寸前まで追い詰められても、必死のリードで耐え抜いた。

 「本当に粘り強く、投手陣が頑張ってしのいでくれた。みんなでカバーし合えたからこういう試合になった」

 梅野がナインの総意を代弁した。ミスも、失敗も、選手全員で補い、そして勝ち切る。今の猛虎は、確かな絆で結ばれている。(八木 勇磨)

【データ】
 ○…阪神は7月の野手打率.234という低調から、8月は.298へと上昇。投手を含めたチーム打率も7月.229から8月は.293と3割近い数字を残している。個別では打点で梅野が2→5打点、近本が1→7打点。打率では木浪の.190→.393、佐藤輝.191→.281、近本.238→.361、森下.254→.314と、試合数はまだ7月の半分以下ながら、長期ロード序盤は打線の好調ぶりが際立っている。

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