「なんですの?」ソフトB・柳田のバントが呼んだ柳町の逆転V撃「つないでくれた皆さんのためにも」

2023年08月17日 07:10

野球

「なんですの?」ソフトB・柳田のバントが呼んだ柳町の逆転V撃「つないでくれた皆さんのためにも」
<オ・ソ>3回無死一、二塁、送りバントをするも失敗する柳田(2回目)(撮影・後藤 正志) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   ソフトバンク3―2オリックス ( 2023年8月16日    京セラD )】 ギータの執念で由伸連倒だ。ソフトバンクは16日、オリックスと対戦し、0―1の3回無死一、二塁で12年以来犠打を記録していない柳田悠岐外野手(34)が、自らの意思で2球連続バントを試みた。失敗に終わったものの、2死満塁からその思いをくんだ柳町達外野手(26)が、中前へ逆転の2点適時打。前回7月25日に続き山本から勝利し、連敗を2で止めた。先発の有原航平投手(31)は8回2失点で5勝目を挙げた。
 1点差勝ちの裏に、柳田の奇策と強振があった。首位を走るオリックスのエースに対し、主将は勝ちへの執念、姿勢をひたすら示し続けた。

 0―1の3回無死一、二塁。京セラドームが1球ごとにざわついた。独自の判断、ノーサインで山本から2球連続で送りバントを狙った。「送れば次、コンちゃん(近藤)なんで。1点くらい取れるかなという浅はかな気持ちでやりました。すいませんでした」。1球にかける夏の甲子園球児のようにハキハキと回顧した。

 剛腕の投球開始と同時にバットを寝かせた。自身も快足で生きようとする三塁側へのセーフティーバントだ。初球のファウルにベンチの藤本監督もにやけた。2球目にも再挑戦も前には転がらず。結果的に5球目直球にバットを止めて空振り三振。奇策こそ失敗に終わった。ただ熱い思いは、5番中村晃が四球を選んだ後、同2死満塁で、6番の“ギーマ”こと柳町にまでつながった。

 「何とか、つないでくれた皆さんのためにも絶対に打ってやろうという気持ちで入りました。準備はしていたしうれしかった」。柳町はさわやか笑顔だが、柳田はとぼけた。「何です?何ですの?」とあえて注目されることを避けつつ、さりげなく勝利を喜んだが、その思いは藤本監督にも十分に伝わっていた。

 「相手が山本で、何とかしようという気持ちがある。初めて(バント敢行を)見たよ。練習もやってない。ただ、ああいう気持ちが柳町のヒットにつながった。決して消極的になってるわけやない」

 柳田が、犠打を決めたのはレギュラー定着前の12年に2度だけ。いつもの強振は健在。初回2死で中前打。4回2死一塁では外寄りの直球を捉え、左中間を破る二塁打。ただ前を走る一塁走者・牧原大が、三塁を回って止まったため二、三塁間で挟まれ、挟殺を焦った頓宮の悪送球で3点目が入った。何とかしようとする姿勢は運も味方した。

 「走塁にミスがあったし、すいませんでした」。柳田は謙虚に反省したが、連敗は2で止まった。エース山本を攻略し、オリックス戦は3連勝。今季通算成績でも9勝8敗1分けと勝ち越した。残り42試合。まだまだ鷹には主将を中心に食らいつく総合力がある。 (井上 満夫)

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