広島 自力V消滅も新井監督「どうってことない」全員野球で奇跡諦めん

2023年08月17日 06:55

野球

広島 自力V消滅も新井監督「どうってことない」全員野球で奇跡諦めん
<広・神>選手交代を告げにベンチを出る新井監督 (撮影・奥 調) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島3―5阪神 ( 2023年8月16日    マツダ )】 広島は16日、阪神に惜敗し今季初めて自力優勝の可能性が消滅した。相手先発の大竹に今季5度目の対戦で4勝目を献上したが最多3点を奪って降板に追い込むと、1点ビハインドの場面で島内颯太郎投手(26)と矢崎拓也投手(28)の勝利の方程式を投入。勝利への執念を見せた新井貴浩監督(46)は「まだ可能性はあるので、どうってことない」と前を向いた。
 チーム一体で負けられない思いが伝わってきた。初回2死二塁、対大竹が16打数7安打(打率・438)と唯一、得意とする西川が高め速球を右前に運ぶ先制適時打。「点につながって良かった」と話すように天敵左腕からは実に4試合24イニングぶりの得点だった。

 過去4試合計29回2/3でわずか1得点。逆転を許した直後の2回には今季初めて一塁起用された坂倉が適時二塁打。6回2死二塁では前日15日に左手首付近に死球を受け途中交代していた上本がテーピングを施し強行出場。外角チェンジアップを中前に運ぶ適時打で1点差とし大竹を降板に追い込んだ。初めて複数得点を奪った攻撃陣の執念を新井監督も素直に評価した。

 「対策的には良いものが出たんじゃないかと。打撃コーチも、いろいろ考えてくれて、選手も実行してくれた。いい当たりも多かったし良かったと思う」

 大竹は試合前まで右打者(・205)よりも左打者(・279)の方が被打率が高い。「数字だけを気にしているわけじゃないけど左の方が打っているのが顕著に表れている」。指揮官の狙い通り、7安打中、6本を左打者が放った。

 選手が粘りを見せれば新井監督も執念タクトを振るった。3―4の8回に15試合連続でホールドを記録していた島内を起用。2死満塁のピンチこそ招いたが森下を見逃し三振に仕留めた。ビハインドの場面では5月21日阪神戦以来、27試合ぶりの登板だった右腕は「難しさもあった」と振り返るが「目標は優勝。どんな状況でも使ってくれたら、抑えるだけ」と頼もしかった。9回も抑えの矢崎を6月4日ソフトバンク戦以来、25試合ぶりにビハインドで投入した。

 「すべての可能性があるので、選手にも準備してくれよと伝えている。今日も惜しかった。本当に紙一重」。勝利には結び付かず、自力優勝の可能性は消滅したが、新井監督は前を向いて続けた。

 「数字上のことだけであって、まだ可能性はある。どうってことない」

 残り36試合。全員野球で奇跡を諦めない。 (長谷川 凡記)

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