メッツ千賀のサイ・ヤング賞獲得はありうるか…地元ニューヨークポスト紙が応援記事

2023年09月16日 12:02

野球

メッツ千賀のサイ・ヤング賞獲得はありうるか…地元ニューヨークポスト紙が応援記事
メッツの千賀滉大(AP) Photo By AP
 ニューヨークポスト紙が15日(日本時間16日)、メッツの千賀滉大投手(30)がサイ・ヤング賞の候補である理由について力説している。
 まず新人王については、ダイヤモンドバックスのコービン・キャロル外野手が最有力。新人王よりサイ・ヤング賞の方が可能性があるとしている。

 現在、パドレスの左腕ブレイク・スネルが圧倒的に有利とされているが、不気味なほど2人の数字は似ているという。スネルは30試合167イニングに投げて、14勝9敗、防御率2・43、FIP(守備から独立した防御率を評価する指標)3・53、9回あたりの奪三振数は11・69個、9回あたりの四球数は5・01個、ファングラフスのWAR(代替可能選手に比べてどれだけ勝利数を上積みしたかを統計的に推計した指標)は3・6だ。

 千賀は27試合、155・1イニングに投げて、11勝7敗、防御率2・95、FIP3・46、9回あたりの奪三振数は11・07個、9回あたりの四球数は4・17個、WARは3・5。“不気味なほど”似ているかどうか…。

 他にもカブスのジャスティン・スティール、ダイヤモンドバックスのザック・ゲーレン、フィリーズのザック・ウィーラー、ジャイアンツのローガン・ウエブ、ブレーブスのスペンサー・ストライダーら好成績を挙げている投手がいる。そしてストライダーについて見てみると、WAR5・1、259奪三振は素晴らしい。しかし、ストライダーの防御率は3・73。ウィーラーについてもWARは良いが、防御率は3・70だ。

 2006年以降、防御率3点台でサイ・ヤング賞に選ばれた投手は一人もいない。ナ・リーグの歴史全体で見ても、70年カージナルスのボブ・ギブソン、1982年フィリーズのスティーブ・カールトン、06年ダイヤモンドバックスのブランドン・ウェブの3人だけだ。

 そこで候補者を防御率2点台の投手に絞ると、スネル、千賀、スティールの3人だけとなる。さらに選出する上で重要な三振率を見ると、スネルと千賀が9回あたり11個を超えているのに対し、スティールは9個だと指摘している。この記事は“千賀も可能性がある”という応援記事だ。実際、候補者はまだあと2試合ずつは投げると思われ、千賀はスネルに数字でさらに迫ることができる。2人だけの比較で行くと、千賀がスネルよりも良いのはFIP(守備から独立した防御率を評価する指標)と四球数くらいだが、投票者である野球記者の中には、ERAよりもFIPを重視する人は確かにいる。

 千賀が新人で日本人初のサイ・ヤング賞を獲得できれば、言うまでもなく快挙だ。メッツはチームとしては残念な結果に終わったが、ニューヨークのファンも日本のファンも千賀のピッチングを最後まで楽しむことができる。

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