広島・松山 “進撃の虎”止める代打決勝打 一丸で2位死守へチームは5年ぶり勝ち越し決定

2023年09月16日 06:45

野球

広島・松山 “進撃の虎”止める代打決勝打 一丸で2位死守へチームは5年ぶり勝ち越し決定
<広・神22>8回1死三塁、代打・松山は勝ち越しの適時打を放つ(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島6ー5阪神 ( 2023年9月15日    マツダ )】 広島は15日、リーグ優勝から一夜明けの阪神相手に6―5と辛勝し、虎の連勝を11で止めた。同点の8回1死三塁で代打・松山竜平外野手(37)が値千金の中前決勝打。8回1イニングを零封した島内が2勝目を挙げた。70勝に到達し、18年以来5年ぶりのシーズン勝ち越しが確定。3位・DeNAとは3ゲーム差を堅持し、残り10試合、チーム一丸で2位を死守する。
 カウント2―2からの6球目。150キロの内角高め直球を捉えた打球がゴロで前進守備を敷く中野の左横を抜けると、代打・松山は一塁ベンチに向かって右手を突き上げた。同点の8回1死三塁で決勝打。島内と並んだお立ち台で破顔一笑だ。

 「とにかく食らいついて、バットに当てようとした結果。当たりはよくなかったけど、いい所に抜けてくれたので自然に出た」

 有言実行の一打だった。もつれた展開で神宮からの移動ゲーム。同点に追い付いた7回に“延長にはしたくないです”とつぶやいた堂林に、“いい場面で回ってきたら決めたるわ”と宣言していた。「一番喜んでくれた」と笑顔で打ち明けた。

 勝負強さは健在だ。今季は代打で打率・391をマーク。これで19打点目となり、球団では12年の前田智徳と3位で並んだ。しかも虎にめっぽう強い。代打成績は4打数4安打を誇り、勝利打点6個のうち3個が阪神戦。“10月の決戦”を思えば実に心強い。

 「(代打率・391は)ちょっと出来すぎかな…と。ここイチの場面で毎回緊張する。声援をくれるファンのおかげで打てている」

 今季最多3万1203人の前で3度の劣勢を一度は逆転、2度追い付き、最後に突き放した。主力を欠きながら阪神の連勝を11で止め、18年以来5年ぶりのシーズン勝ち越しを決めた新井監督は「松山さんはいつも頼もしい」と目を細めつつ、視線を前に向ける。

 「相手はチャンピオンチーム。こういう僅差の展開をモノにできるとチームは成長するし、若手にはいい経験になる。残り10試合。次の目標を達成できるよう、最後まで全員野球で頑張りたい」

 クライマックスシリーズ(CS)進出を争う3位・DeNAもヤクルトに勝ち、ゲーム差は3のまま。2位死守へ、勝負はいよいよ第4コーナーだ。

 「後ろも近づいている。何とかみんなで、死に物狂いで取らないといけない。残り10試合、全部勝って、CSをここ(マツダ)でやりましょう」

 ラストスパート。チーム最年長の37歳は、高らかにCS本拠地開催権奪取を宣言した。(江尾 卓也)

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