西武、銀仁朗を獲得調査 実現すれば6年ぶり古巣復帰 捕手陣に経験値注入へ36歳に白羽の矢

2023年10月24日 03:00

野球

西武、銀仁朗を獲得調査 実現すれば6年ぶり古巣復帰 捕手陣に経験値注入へ36歳に白羽の矢
古巣・西武が獲得調査に乗り出したことが分かった炭谷 Photo By スポニチ
 西武が、楽天を戦力外になった炭谷銀仁朗捕手(36)を獲得調査していることが23日、分かった。現役続行の意思を固めているベテラン捕手。18年オフにフリーエージェント(FA)権を行使して巨人に移籍して以来、6年ぶりに古巣復帰する可能性が高まった。西武は今季、正捕手を固定できず5位と低迷。戦力としてはもちろん、若き捕手陣の手本としても期待がかかる。
 西武は昨オフ、正捕手だった森がオリックスにFA移籍。今季は2年目の古賀、4年目の柘植、育成出身2年目の古市と3捕手を先発で併用した。平均年齢は23.7歳と若く、炭谷の経験値と頭脳が加われば、19年以来5年ぶりのリーグ制覇へ向けて大きな力になる。

 楽天が来季の選手契約を行わないと発表した13日、炭谷は「びっくりしています。とりあえず、今は現役を続けたいという気持ちがあります」とコメントした。

 18年目の今季は岸や早川、田中将らとバッテリーを組み65試合に出場。持ち味を引き出すリードは定評があり、昨季はリーグ3位の盗塁阻止率.339を記録した守備力は健在で、戦力としても申し分ない。
 今季は古賀がチーム最多の90試合でスタメンマスクをかぶったが、来季3年目の24歳とこれから経験を重ねる立場。2番目に多い41試合に先発した柘植は23日、右肘のクリーニング手術を20日に受けたと球団が発表した。

 実戦復帰には3カ月程度を要する見込み。いずれにしても、豊富な経験と実績を持つ捕手が不在で炭谷は戦力の底上げとともに若手捕手陣の育成面でも大きな存在となる。

 西武時代は12年と15年にゴールデングラブ賞受賞。長年にわたって正捕手を務めた。

 当時から誰よりも早く球場入りし、相手チームを分析。移籍先の巨人、楽天でもその姿勢は変わらず、後輩捕手だけでなく若手の投手とも積極的にコミュニケーションを取り、よき相談相手にもなっていた。楽天を含めたパ・リーグ事情に精通することも獲得のメリットになる。

 18年まで13年間プレーした古巣への復帰となれば、栗山や中村らベテランとの意思疎通など、チームの潤滑油としても期待される。交渉解禁は11月15日に行われる12球団合同トライアウト終了後になるが、古巣復帰が決まれば頼もしい戦力になる。

 ≪“出戻り”大物ズラリ≫過去にFAで国内他球団に移籍、その後、古巣に復帰した例は工藤公康(西→巨など→西)、村松有人(ダイエー→オ→ソ)、新井貴浩(広→神→広)、鶴岡慎也(日→ソ→日)がいる。村松はトレード、鶴岡はFAで復帰、工藤は実に16年ぶりの古巣復帰だった。

 ◇炭谷 銀仁朗(すみたに・ぎんじろう)1987年(昭62)7月19日生まれ、京都府出身の36歳。平安(現龍谷大平安)から05年高校生ドラフト1巡目で西武入り。06年に高卒新人捕手では51年ぶり開幕スタメン。18年オフに巨人にFA移籍し、21年7月に金銭トレードで楽天移籍。13、17年WBC、15年プレミア12日本代表。18~21年に日本プロ野球選手会会長を務めた。1メートル81、98キロ。右投げ右打ち。

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