カブス 楽天・松井裕を本格調査 不足する「救援左腕」補強リスト最上位 9月には編成本部長も視察

2023年10月24日 04:00

野球

カブス 楽天・松井裕を本格調査 不足する「救援左腕」補強リスト最上位 9月には編成本部長も視察
カブスが本格調査している楽天・松井裕 Photo By スポニチ
 カブスが、今季海外フリーエージェント(FA)の権利を取得した楽天・松井裕樹投手(27)の獲得調査を本格化させていることが23日、分かった。シーズン中には編成最高責任者のジェド・ホイヤー編成本部長(49)が来日して直接視察済み。チームは左の救援投手不在が響き3年連続でプレーオフ進出を逃し、重要な補強ポイントとなっている。日本野球機構(NPB)は同日、FA有資格者として同投手ら106選手を公示した。
 カブスはシーズン中から松井裕のスカウティングを熱心に進めてきた。今季は83勝79敗のナ・リーグ中地区2位ながら、シーズン161試合目にして3年連続でプレーオフを逃すことが決まる屈辱の結末。救援陣の防御率3.85はリーグ6位で、特に左のリリーバー不在が大きく響いた。

 それでも、チームは3年ぶりにシーズン勝ち越しに成功し、数年先もにらんで獲得してきた若手有望株も育ってきた。年俸総額は「ぜいたく税」の基準まで1億ドル(約150億円)前後の猶予があるとみられ、「このオフは予算を積み増して大型補強に動く」と米球界関係者は口をそろえる。重要な補強ポイントである左の救援投手、そのリストの最上位に松井裕を加えたという。9月には編成部門の最高責任者であるホイヤー編成本部長が来日し、球場で直接視察。オフに入り、地元メディアでは「選択肢の一つ」としてその名前が複数回伝えられた。

 今季の松井裕は2年連続3度目のセーブ王に輝いた。3月のWBCではMLB公式球への適応に苦戦する場面もあったが、自己最多の39セーブと4年契約の最終年に最高の数字を残した。秋季練習初日だった17日には「話をするタイミングが来たら、しっかりと話をさせていただきます」と話すにとどめたが、取得した海外FA権を行使する公算が大きい。楽天からは4年総額16億円の好条件が提示されているとみられ、森井誠之球団社長は「心から残ってもらいたい。彼の思いは尊重して話し合っていく」と既に残留交渉を行っていることを明かしている。

 一方で国内球団も水面下で調査を続け、横浜市出身の左腕の動向を地元球団のDeNAも注視し続けている。またカブスだけでなく、パドレス、レッドソックス、ヤンキースなども幹部が次々と来日して、試合を実際に視察してきた。日米複数球団による争奪戦が加速していく様相だ。

 FA権の行使は、日本シリーズ終了の翌日から、土日・祝日を除く7日以内に球団へ意思を伝える。同シリーズ終了から土日・祝日を除く8日後に「FA宣言選手」として公示され、その翌日から契約交渉が可能となる。争奪戦のゴングが本格的に打ち鳴らされる日は近い。

 ▽カブスでプレーした日本選手 現在は鈴木が主軸を打ち、2年目の今季は左脇腹痛で出遅れながら138試合で打率.285、20本塁打、74打点の数字を残した。初めてプレーしたのは福留孝介で08~11年途中まで在籍。他にも09年田口壮、13~14年藤川球児、13年高橋尚成、14~15年和田毅(現ソフトバンク)、16年川崎宗則(現BC栃木)、17年上原浩治、18~20年ダルビッシュ有(現パドレス)らがプレーした。

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