ソフトバンク・小久保新監督 「美しい野球」で目指すV奪回「強さも大事だと思うが…」

2023年10月24日 05:00

野球

ソフトバンク・小久保新監督 「美しい野球」で目指すV奪回「強さも大事だと思うが…」
就任任会見で王会長(右)と握手を交わすソフトバンク・小久保新監督(撮影・岡田 丈靖)
 ソフトバンクの小久保裕紀新監督(52)が23日、福岡市内のホテルで就任会見に臨んだ。2軍監督から内部昇格した新指揮官はリーグ優勝、日本一奪還を力強く宣言。さらに「美しさ」と言葉を用い、グラウンドでの振る舞いなどから改革し、3年連続でペナントを逃したチームを再建すると誓った。契約期間は3年で背番号は現在と同じ「90」になる見込みだ。
 3年連続で手放した覇権の奪回。与えられた使命ははっきりしている。ただ、新指揮官はさらに大事なものがあると強調した。王貞治球団会長、後藤芳光球団社長兼オーナー代行が同席した就任会見。小久保新監督は「強さも大事だと思うが、美しさ、美意識が欠けている。いかに美しくあるか、共通認識として持ち合わせチームをつくっていきたい」と新たな指針を示した。

 1軍ヘッドコーチから配置転換され、今季までの2年間は2軍監督を務めた。「テレビを通して1軍選手の戦いを時間の許す限り見てきた。その中で少し違和感を感じているところ」が「美しさ」を欠いた姿だった。「見た目を含め、プレーの美しさやグラウンドでの振る舞い、インタビューの受け答え、全てつながってくる」と語り、会見後はペイペイドームで始まった秋季練習前に訓示。あと1勝という正念場で昨季は優勝、今季は2位を逃した選手たちに「勝利の神様は細部に宿る。普段の振る舞い、言葉遣いが勝ちにつながる」と語りかけた。

 その根底に流れるのは師と仰ぐ王会長の教えだ。Bクラスが続いた時代から1999年に優勝し、パ・リーグの覇権を握った歩みを知る小久保監督は「王監督時代に築かれたイズムというものを継承していま一度、チームに浸透させられるよう努めていきたい」と話した。「王イズム」の一端として「主力の手本意識」を挙げ、さっそくチーム改革に着手した。柳田が2年間務めたキャプテン制度を廃止。柳田だけでなく近藤の名前も挙げ、主軸の全員が引っ張るチーム像を描いた。

 小久保監督の現役時代から後継者として認めていた王会長は「思い切って自分の思う野球をやってほしい」と話し、「振り返ればこういう道が敷かれていた。優勝を取り戻す野球をやってくれる」と期待を寄せた。本格的な小久保新体制の始動は来月2日からの秋季宮崎キャンプ。新指揮官は「3年間、優勝を逃している現実と向き合い、パ・リーグ優勝と日本一を目指して戦う」と常勝チームの復活を期して熱く語った。(森 寛一)

 〇…小久保監督は去就が注目されている守護神・オスナについて「おらんかったら話にならない」と残留を熱望した。オスナは今季からソフトバンクに加入し、49試合登板3勝2敗26セーブ、防御率0・92と抜群の成績を残した。「中継ぎと抑えは12球団の中でもトップクラス」と話し、その中核を担ったオスナに残留のラブコールを送った。

 ◇小久保 裕紀(こくぼ・ひろき)1971年(昭46)10月8日生まれ、和歌山県出身の52歳。星林から青学大を経て93年ドラフト2位(逆指名)でダイエー(現ソフトバンク)入団。95年に本塁打王、97年に打点王獲得。03年オフに巨人にトレード移籍し、07年にFAでソフトバンクに復帰。12年に現役引退。通算成績は打率.273、413本塁打、1304打点。青学大時代の92年にバルセロナ五輪日本代表。13~17年に侍ジャパン監督を務め、21年にソフトバンクの1軍ヘッドコーチ、22年から2年間、2軍監督を務めた。

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