ドラフトは23年の戦いにどう影響したか?セ・リーグ編 阪神は1位指名野手が充実

2023年10月24日 05:30

野球

ドラフトは23年の戦いにどう影響したか?セ・リーグ編 阪神は1位指名野手が充実
阪神の大山 Photo By スポニチ
 「運命の一日」まであと2日。26日のドラフト会議を前に、3回にわたってドラフト会議特集を掲載する。第1回は「ドラフトは23年12球団の戦いにどう影響したか セ・リーグ編」。今季各球団の主力となった20選手を割り出し、ドラフト戦略の効果を分析する。(企画・構成=春川 英樹)
 <阪神 1位指名野手充実 大山、森下らが独走「アレ」支えた>18年ぶりの「アレ」で幕を閉じたセ・リーグのペナントレース。2位・広島に11・5ゲーム差をつけた、阪神の圧勝だった。いずれもリーグトップのチーム防御率2・66、424失点の投手陣と、リーグ2位タイのチーム打率・247ながらトップの555得点をマークした打線がかみ合っての優勝。まずは阪神優勝を支えたドラフト戦略を分析する。

 阪神で特筆すべきは「ドラ1野手」の活躍だ。今季の主要10野手のうち4人がドラフト1位。16年の大山から22年1位ルーキー森下まで7年間で4人の1位指名選手が、レギュラーとして活躍した。梅野の故障があったものの、捕手で最多出場した坂本も15年のドラフト2位の上位指名。野手10選手のうち、ドラフト指名選手の順位平均は2・4位で、リーグで最も上位指名選手が働いたというデータとなった。投手も含めた20選手中、ドラフト指名選手は15人で外国人2、移籍加入が3。これは広島の17人に次いで、リーグ2番目に多く“自前選手”がチームの軸になった証明でもある。強いて挙げるなら野手充実の間の、次世代のエース候補の補強か。

 <広島 ドラフトが最大の補強>リーグ2位となった広島は、前述の通りドラフト指名選手がチームの根幹となっている。特に投手10人は全てドラフト指名選手で、9人がドラフト3位以上。野手も含めれば17人のうち14人が3位以上の上位指名選手となっている。投打を合わせたドラフト平均順位は、ヤクルトと並ぶリーグトップの2・4位。一方で5人がプロ10年目を超え、特に野手の若返りが今後の鍵となりそうだ。

 <巨人 若手台頭 補強頼みから脱却気配>2年連続Bクラスに終わった巨人。20選手中ドラフト指名選手はリーグ最少の13人。外国人選手3人、移籍選手4人はリーグ最多だ。ただ、野手は丸、ブリンソン、梶谷、中田翔の出場数は10人中下位で、秋広、門脇ら若手の出場数が伸びている。投手も先発6人には入らなかったが、菅野の14試合先発に次ぐのは、21年ドラフト3位右腕の赤星で12試合に先発し5勝5敗。菊地、船迫の1、2年目コンビの中継ぎ陣に加え、山崎伊、横川ら18年以降のドラフト入団選手が台頭してきた。新時代への転換を感じさせ、投打ともに新たな大黒柱となる選手の加入が待たれる。

 <DeNA “投高打低”両極化くっきり>投打の編成で傾向がはっきり分かれたのがDeNAだ。投手10人のうち5人がドラフト1位。ドラフト上位指名選手がリーグ3位のチーム防御率3・16の投手陣を支えた。14年1位の山崎から、今永、浜口、東、上茶谷と5年間のドラフト1位投手が主力として貢献。投手のドラフト平均順位1・6はヤクルトの1・5に次ぐリーグ2位だ。一方、野手は20年2位の牧が唯一の上位指名で、16年9位の佐野をはじめ5選手が4位以下。野手の平均順位5・8位はリーグ最低で、投手は上位、野手は下位がくっきり。ただ、今オフは今永がポスティングシステムでメジャー移籍を目指し、バウアーも去就が不透明で、ドラフトでも投手補強が最優先となりそうだ。

 <ヤクルト 投打ともに世代交代が急務>広島と並んでドラフト加入選手の平均順位が2・4位とリーグトップだったのはヤクルト。ただ、小川、石川、石山、山田、中村、青木らがプロ10年目を超え、平均年齢はリーグ最高の29・5歳となった。投打ともに世代交代が急務だろう。

 <中日 若手の躍進期待>2年連続最下位の中日は、ローテーション投手は上位指名選手が占め、平均年齢も25・9歳でリーグで最も低い。若い選手らが勝ち抜く経験を積むことができれば、面白い存在になる可能性は秘めている。

 ≪主力20人選定基準≫今企画の主力選手(投手10、野手10)選定は以下の条件で行った。投手は先発を先発数上位6人、中継ぎは登板数上位3人、抑えは最多セーブ数投手の10人。野手は今季の打席数上位から10人とした。FA、トレード、現役ドラフトなどでの加入選手は「移籍」扱い。また、入団後に移籍し再度、ドラフト指名された球団に復帰した選手は、その球団のドラフト指名選手として扱った。別表の平均年齢、ドラフト平均順位は各球団の20人から外国人、移籍選手を除いた選手で計算した。

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