名門カブスがライバル球団の監督を引き抜き、留任予定の現監督を解雇 異例の人事の内幕

2023年11月07日 12:47

野球

名門カブスがライバル球団の監督を引き抜き、留任予定の現監督を解雇 異例の人事の内幕
ブルワーズ・カウンセル監督(AP) Photo By AP
 スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のサハデブ・シャーマ記者がカブスが宿敵であるブルワーズの監督を引き抜き、留任予定だった現監督を突如解雇した異例の人事について、6日(日本時間7日)に詳しく報じている。
 ブルワーズのクレイグ・カウンセル監督(53)は9シーズンで707勝625敗、過去6シーズンは地区優勝3度で、5度チームをポストシーズンに導いている。ブ軍との契約が切れ、このオフ、ヤンキースのジョー・トーリ監督の750万ドルを抜き、メジャーの監督として史上最高の年俸で契約するかもしれないと注目されていた。

 行き先としてはブルワーズで一緒に働いていたデビッド・スターンズ新編成本部長(38)のいるメッツが有力視され、他にガーディアンズの話もあった。

 そんな中、カブスのジェド・ホイヤー編成本部長(49)はカウンセル監督が中西部に住む家族からあまり離れたくないとの希望があると知っており、おそらくブルワーズ残留で10月中には決まるだろうと見ていた。

 ところがなかなか決まらない。おそらくビッグマーケットのメッツとスモールマーケットのブルワーズの間で条件面で大きな隔たりがあったのだろう。ホイヤー編成本部長は、宿敵であるブルワーズのカウンセル監督の高い能力について毎年痛感させられていた。より資金力のあるカブスはたいていより優れた選手を揃えているのに、なかなかブルワーズに勝てない。それはカウンセル監督が選手たちの能力を最大限に生かしているからだと思っていた。

 試合中の采配も素晴らしいし、チームを一丸にできる。メディア対応についてもいつも冷静だ。現在のデビッド・ロス監督(46)については、4年前、ジョー・マドン監督の後任として、当時のセオ・エプスタイン編成本部長とホイヤーで話し合って決めた。留任させる方向ではいたが、今季は9月6日終了時点で、ポストシーズン進出確率は92・4%だったのに、そこから7勝15敗と惨敗。1点差負けが6度、2点差負けが4度だった。11月が近づいても、カウンセルの行先が決まらないため、ホイヤーは決断した。カウンセルに連絡を取り、11月1日にシカゴ郊外で会った。その時は一人で会い他のフロントのスタッフを連れて行かなかった。情報漏れを心配したからだ。もしカウンセル監督を獲得できず、ロス監督留任となれば、2人の関係が気まずくなる。フロントの中でも限られた人間にしか教えなかった。

 ホイヤーとカウンセルはそれまでほとんど交流はなかったが、すぐに意気投合、夜遅くまで語り合ったそうだ。その時点でまだメッツやガーディアンズの話があったし、ブルワーズとも連絡を取っていた。しかしながら、ホイヤーは条件面でも折り合えそうだと手ごたえを得た。そして5日の朝、5年総額4000万ドル以上(約60億円)とメジャーの監督としては最高の条件で合意している。

 その後ホイヤーはすぐにロス監督の住むフロリダに飛び、詳しい事情を説明。話し合いは長く緊迫したものだったそうだ。

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