キューバ五輪連覇の英雄ラザロ・バルガスの息子ミゲル ドジャースでレギュラーの座を奪い返せるか?

2024年02月18日 12:20

野球

キューバ五輪連覇の英雄ラザロ・バルガスの息子ミゲル ドジャースでレギュラーの座を奪い返せるか?
ドジャースのミゲル・バルガス(AP) Photo By AP
 大リーグ公式サイトがドジャースのミゲル・バルガス(24)について特集している。
 キューバ出身で父親はラザロ・バルガス三塁手。父親は92年のバルセロナ五輪で五輪史上初のサイクル安打をマーク、37打数17安打で金メダルに貢献した。96年のアトランタ五輪でも35打数12安打で連覇を達成。英雄としてキューバで切手にもなっている。

 キューバ生まれのミゲルは17年にドジャースと契約、22年8月にメジャー昇格を果たした。そして1年前のメジャーキャンプには正二塁手として臨んだ。しかしながら23年は81試合に出場(69試合がスタメン)、打率・195、7本塁打、32打点の不振で7月には3Aに降格させられている。

 今季二塁のポジションはムーキー・ベッツのものとなり、左翼手の控えでキャンプに臨む。果たしてレギュラーの座を奪い返せるか?昨季の不振はケガが原因だった。1年前キャンプが始まってすぐに守備練習で右手小指を骨折、キャンプを通してバットをしっかり振れなかった。夏も再び手をケガした。「2度もケガをし、しかも大変な痛みで、打撃がおかしくなった。自分らしいプレーができなかった。今までこんなことは一度もなかったし、野球をやっていても楽しくなかった。自信を失いかけた」と大リーグ公式サイトの取材で明かしている。

 失意の息子を励ましたのは偉大な父親だった。父親は息子の夢をかなえるために母国を捨てた。息子がメジャーでプレーしたがっていると知り、ミゲルが15歳になる前にキューバを離れることを決断。エクアドルに6カ月住んだ後、バハマに引っ越した。午前中は練習、夜はジムという生活を1年半続けさせた。

 しかしながらバハマでは友達はいないし、野球漬けの日々。息子の心が折れかけた時期もあったそうだ。しかもルールで定められた16歳になればすぐにメジャー球団と契約できるかと思いきや、そうではなかった。父親のつてでドジャースのスカウトがバハマまで来て、契約金30万ドルで入団が決まっている。マイナーでは5シーズンで通算打率・310、59本塁打、308打点の活躍。サラブレッドでもあり、若手有望株として期待が高かった。しかし1年前にレギュラーに抜てきされながら、チャンスをものにできなかった。

 父親は再び息子を励ましている。「家族に助けられた。失敗することも野球の一部だし、人生の一部でもあると。大事なのはこの経験から学ぶこと。それでより強い人間になれると」とミゲル。「父か、父以上の選手になりたい」、190センチ、92キロの息子は巻き返しを誓う。

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