【光る君へ 大河絵(光る君絵)】第1話 平安時代の光と闇…衝撃のダーク開幕 なぜ!…まひろの哀哭
2024年01月14日 17:01
芸能
「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」など生んだ“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。
<※以下、ネタバレ有>
先週の第1話は「約束の月」。平安中期、京に生を受けた少女・まひろ(落井実結子)、のちの紫式部。父・藤原為時(岸谷五朗)の政治的な立場は低く、母・ちやは(国仲涼子)とともに慎ましい暮らしをしている。ある日、まひろは三郎(木村皐誠)という少年と出会い、互いに素性を隠しながらも打ち解け合う。再び合う約束を交わした2人だったが…という展開だった。
衝撃の初回、ラスト6分だった。優雅な平安大河を予想していた視聴者には、思わぬ“平安バイオレンス&パワーゲーム大河”。右大臣に昇進した藤原兼家(段田安則)に持ち掛けられ、為時はようやく東宮(皇太子)・師貞親王(のちの花山天皇)への漢文指南の仕事を得る。“間者になれ”という意図も汲んだ。
三郎との約束の日。まひろは、父が職に就けるよう母が願掛けに通った神社へお礼参り。山中、帰りを急ぐまひろは馬に乗った三郎の次兄・藤原道兼(玉置玲央)の前に飛び出してしまい、道兼は落馬。まひろは「お許しを」と詫びた。長兄・藤原道隆(井浦新)との差、三郎との言い争い…道兼のイラ立ちはピークに達していた。従者が「道兼様を黙らせるとは、肝の据わった女子(おなご)でございます」と言うと、道兼は逆上。従者の太刀を抜き、ちやはを背後から突き刺した。
まひろは「なぜ!母上は殺されたのよ、父上!ミチカネを捕まえて!人殺しを捕まえて!」。
河原。三郎は待ちぼうけ。家に帰ると、顔に返り血を浴びた次兄を目撃した。
平安絵巻どころか、慎ましい生活を笑顔で耐え忍んでいた、ちやはの刺殺、返り血を浴びたダーク道兼…そして、まひろの慟哭。主演の吉高が異例の出番なしとなった初回でも、心を揺さぶられた今作の“光と闇”を石井さんが描く。
◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画を手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2023 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2023 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。スポニチアネックスでの大河絵連載は「鎌倉殿の13人」(2022年)、「どうする家康」(2023年)に続き3年目。