×

亀山つとむ氏 阪神・森下1番継続のススメ 制約少ない打順で経験積んで 後半戦で5番を打つために

2023年07月14日 05:15

野球

亀山つとむ氏 阪神・森下1番継続のススメ 制約少ない打順で経験積んで 後半戦で5番を打つために
亀山つとむ氏 Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神0―4DeNA ( 2023年7月13日    甲子園 )】 【亀山つとむ 視点】阪神は13日のDeNA戦に敗れて連勝は3でストップし、2位とのゲーム差は2となった。目下5試合連続でスタメン1番を担う森下翔太外野手(22)について、本紙評論家・亀山つとむ氏(54)は、後半戦での5番定着に向け、近本復帰までの1番起用継続の必要性を訴えた。この日も初回に左翼線二塁打を放って自己最長の4試合連続安打とした背番号1を、岡田阪神の終盤戦のキーマンと期待。そのためにも今は、制約の少ない1番で打席を重ねることが肝心と説いた。
 ルーキー森下が、その可能性を感じさせた。第1打席では左腕・石田に対して初球からしっかり振りにいった。この姿勢がいい。雨のために39分遅れでのプレーボール。それでも1球目から集中力を発揮し、3球目の144キロを左翼線に二塁打。1番での5試合連続スタメン起用に、森下は4試合連続安打で応えた。打席での迷いを感じない。それが彼の持ち味だ。

 引っ張りすぎて強引になる傾向が開幕当初の森下にはあった。プロの球に力負けしたくない…と力むと、彼の良さが消えてしまう。2軍降格を経験したのも、その点が課題だった。だが、今は引っ張る意識より、センターから右方向への意識が強いのが、打席からもうかがえる。第1打席の二塁打も方向は左だが、引っ張ってのものではなく、センター方向を意識しながら、体の回転で運んだもの。いい打球だった。

 9回の第5打席でも、DeNAの守護神で経験値も豊富な山崎相手に、しっかりとスイングした。149キロをジャストミート。左翼・蝦名のフェンス激突キャッチに阻まれたが、最後まで魅力を発揮した打席内容だった。

 ノイジーのコンディション不良もあって、左翼での出場だった。岡田監督も後半戦での森下についての選択肢を考えての起用だったと思う。右肋骨骨折の近本が復帰した後も、右翼、中堅だけでなく左翼も守れるとなれば起用の幅は、さらに広がる。森下、近本、前川の外野布陣は、魅力的。岡田監督の後半戦の構想にも、これは入っていると思う。

 ただし本塁打など派手な活躍が続くと、当然、相手のマークも厳しくなる。まともに真っすぐを投げてくることは少なくなる。真っすぐを見せて、変化球を振らせる――そんな攻めに、どう対処するか。3回1死二塁での空振り三振は2球目のきわどいカーブをストライクとされ続くボールになるチェンジアップに手を出した。ストライクのコールを引きずった打席だった。まだ1年目。2ストライクまで神経質になる必要はない。もっと割り切っていい。

 その意味でも現状の1番は、森下の成長に適した打順だと思う。私もいろいろな打順を経験したが、1番は一番楽。初球からいけるし、細かい制約にしばられることもない。塁に出ることだけに徹していけばいい。近本の復帰後は5番を任される存在になれるように、今は打席を重ね、失敗も含めて、すべてを吸収する時といえる。ただし、何でも振るのではなく、高めでいく、変化球でいくなど、少しずつ変えながら4打席をこなすことが肝心。それができれば、成長スピードは、より速まる。(スポニチ本紙評論家)

 ▼阪神の新人5番 阪神の新人選手が先発5番打者を務めれば、21年の佐藤輝以来。ドラフト制以降(66年~)では(〇数字は試合数)
69年 田淵 幸一(5)
72年 望月  充(2)
74年 掛布 雅之(1)
〃  佐野 仙好(3)
80年 岡田 彰布(19)
16年 板山祐太郎(2)
〃  高山  俊(2)
17年 大山 悠輔(14)
21年 佐藤 輝明(37)
の9人。

おすすめテーマ

2023年07月14日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム