落合博満氏 岡田阪神“アレ”への近道は「救援陣連投の制限解除」 守りの野球で勝ち試合を落とさないこと

2023年07月22日 07:00

野球

落合博満氏 岡田阪神“アレ”への近道は「救援陣連投の制限解除」 守りの野球で勝ち試合を落とさないこと
阪神の前半戦を総括する落合博満氏(撮影・大城 有生希) Photo By スポニチ
 中日監督として4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が21日、本紙の取材に応じ、前半戦首位ターンを決めた阪神の今後の戦い方について論じた。監督時代にしのぎを削った岡田彰布監督(65)の采配を評価しつつ、優勝争いは混戦になると予想。その中で「勝ちゲームを絶対に落とさない」ことが悲願の18年ぶりのリーグ優勝につながると強調した。
 ここまでの阪神は、岡田監督の思っているような野球をやっているんじゃないか。守り勝つ野球をね。監督というのは、どういう野球をやるかをチームに浸透させるのが何より大事。打って点数を取る野球をするのか、投手中心の守りの野球をするのか。鮮明にしないといけない。就任時に「守りの野球をする」と言ったと聞いたが、それにのっとってやっていると思う。

 お互い監督として戦った(04~08年)が、当時とそんなに変わらない。奇抜な策を打つこともない。昔と変わらない野球をやると思っていたし、変わりようがないんだ。ただ、一番の違いは後ろの3人。当時はJFKがいたが、今はそれが定まっていない。その差はあるだろう。

 まだ順位やゲーム差を気にする時期じゃないが、何よりも他の5球団全部に勝ち越しているのがいい。あと60試合弱だから、どうやって投手のやりくりをしていくかだ。青柳が不調な中で村上や大竹が出てきたのはうれしい誤算だった。ただ、投手はこれからへばってくる。青柳が戻ってきた中で、誰が勝ち頭になるかじゃないか。誰を中心に回していくか。この投手が投げた時は、例えその投手に白星が付かなくてもチームは負けちゃいけない。そういう投手をつくる必要はある。

 打撃は水物というように、点を取れない日もある。完封された試合を監督がどう処理していくかということだ。勝つという試合は、絶対に落としたらダメ。これからは、勝ち試合と負け試合で使う投手をはっきり分けていくことも必要だろう。何でもかんでもつぎ込んでいたら、へばってくる。まあ、そのあたりはよく分かっていると思う。

 優勝争いはもつれると思うよ。大きな連勝、連敗というのは必ずある。今後は投手も連投という形が増えてくる。そこで連投を避けるためにベンチから外したりするかどうかだ。俺は反対だね。監督がどういう野球をやるかってことなんだけど、俺に言わせれば彼らはそこが仕事。仕事として考えれば「そこは俺の場所だ」となるだろ。逆に抑え投手なんて1週間や10日間も投げないこともあるんだから。

 勝ちゲームは総動員してでも勝たないといけない。一番やっちゃいけないのは、俺も経験があるけど、セーブが付くか、付かないかという点差でちゅうちょして抑えを使わずに、ごちゃごちゃになって負けること。これが一番痛い。勝てる試合は確実に勝つ。そのために、どうやって1点をもぎ取るかを考えてやればいいんじゃないか。

 優勝ラインの目安は80勝、貯金20ぐらいだろう。あくまで目安だけどな。大事なのは同一カード3連敗をしないこと、そしてホームで確実に勝つこと。あとは今まで通りの野球をやればいい。守りを中心とした、1点をがめつく取っていく野球をやっていけばいいと思うよ。

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