問題児ちゃう 俺は得点圏の鬼!阪神・西純、攻守で躍動 「考え方甘かった」生活習慣改善した野球の鬼

2023年08月02日 06:45

野球

問題児ちゃう 俺は得点圏の鬼!阪神・西純、攻守で躍動 「考え方甘かった」生活習慣改善した野球の鬼
<中・神>6回、西純は走者一掃の適時二塁打を放ち、ベンチに向かってガッツポーズ(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神10-2中日 ( 2023年8月1日    バンテリンD )】 阪神は1日、夏の長期ロード初戦となった中日戦(バンテリンドーム)に、14安打10得点で大勝し、1分けを挟んで3連勝をマークした。立役者は西純矢投手(21)。6回7安打2失点で4勝目を挙げ、打っては3―2の6回2死満塁で走者一掃の右越え3点二塁打と、投打で躍動した。打線は6月27日の同カード(甲子園)以来となる2桁得点と爆発。貯金を15とし、2位・広島とのゲーム差を2に広げた。
 スラッガーも顔負けの、逆方向への弾道だ。梅野の押し出し四球で3―2と勝ち越し、なおも2死満塁で飛び出した右越えへの3点二塁打。二塁塁上で右拳を突き上げ、歓喜の雄叫び。勝負を決する一撃だ。

 「あそこで一気に楽になった。いい結果になって良かった」

 代打を送られてもおかしくないシーンだ。勝負の打席へと送り、続投を指示した理由を岡田監督は明かす。「立ち直ったからや。7回までいかそうと思ったけど、球数も100超しとったから。自分で3点取ったから、まあ6回でええわと思った」。3回までは不安定な投球だったが、4、5回は中日打線をねじ伏せた。試合中の状態向上により、6回の好機で、なかったはずの打席が舞い込んだ。

 今季は得点圏で10打数4安打(打率・400)。今季通算では17打数4安打と、全ての快音が得点圏で生まれている。勝負強さの理由は「分からない…」と濁すものの、この日に限っては「前の打席で打てずに悔しかったので、絶対に打ちたかった」。5回1死二塁の勝ち越し機で投ゴロに倒れた悔恨も力に変えた。

 「(6回2失点の)投球の内容自体は全然良くない。反省して、しっかりした投球をできるように準備する」

 4年目の今季は初めて開幕ローテーション入りしながら、満足のいく結果が出ず。潜在能力の高さを評価されていた岡田監督からも「問題児」とやゆされたこともあった。5月24日のヤクルト戦では中継ぎで2者連続四球を出し、ベンチで涙。だが、「落ち込んでいる暇はない」と必死に前を向いた。

 「野球でご飯を食べているのに、もっと突き詰めて考えないと。考え方が甘かった」

 もがき、苦しむ中で先発調整のため出場選手登録を抹消された6月15日以降、生活習慣を変えた。ファーム調整中は午前6時から一人黙々と鳴尾浜球場の外野で20分のランニング。雨の日は室内練習場でバイクをこぐ。「そういう環境を勝手につくったら、自分に得しかない」。野球につながることだけを考えて走る時間を生み出した。「野球人生が終わったときに後悔だけはしたくない」――。改心した21歳が続ける地道な努力。勝負の夏場、実を結びつつある。

 西純の躍動で、バンテリンドームではチーム6年ぶりとなる2桁得点。長期ロード初戦に快勝し、DeNAに敗れた2位・広島とは2差に広げた。この白星を、虎の独走ロードへの足掛かりにする。 (八木 勇磨)

【データ】
 ○…阪神は夏の長期ロード白星発進。2年連続は16、17年以来6年ぶり。岡田監督のロード初戦白星は04、07年に次いで6シーズンで3度目。初戦の2桁得点は14年ヤクルト戦(神宮)の20得点以来9年ぶり。バンテリンドームでの2桁得点は17年8月18日の10得点以来6年ぶり7度目で、最多得点は03年4月22日と08年9月17日の11得点。

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