巨人・鈴木康を支える言葉 「最低の最高を求める」 自己最多登板も目前

2023年08月25日 08:00

野球

巨人・鈴木康を支える言葉 「最低の最高を求める」 自己最多登板も目前
22日のヤクルト戦で移籍後初勝利を挙げた巨人・鈴木康(撮影・久冨木 修) Photo By スポニチ
 22日に移籍後初勝利を挙げた巨人・鈴木康平投手(29)。5月にオリックスからトレードで加入した右腕には大切にしている言葉がある。
 「最低の最高を求めろ」

 オリックス時代は19年に先発として19試合に登板し4勝6敗。21年には救援で34試合に登板と1軍経験豊富だったが、今季は移籍前まで登板なしだった。2軍でもがいている中で、オリックスの先輩捕手と食事に行き、掛けられた言葉。誰に言われたのかは「秘密です」と笑ったが、「自分の中で凄くしっくりきた」と明かした。

 今季も最速157キロを計測し、平均でも151キロと威力抜群のボールが持ち味。三振のKをもじり、登録名を「K―鈴木」としていたこともある。投手の理想である三振。そこを求め、知らないうちに自分を追い込んでいた。「追い込んだら三振が欲しいとか、完璧主義だった。それで四球を出して自滅するのが自分」。だからこそ、胸に響いた言葉だった。

 「いいところに決まっても打たれることもある。“最低の最高を求める”と、胸に秘めてから自信にもなりましたし、先頭に四球を出しても、次の打者を抑えればいいという感じになってきた」

 巨人加入後は、ここまで30登板と自己最多登板の更新も視界に捉えている右腕は、投げる喜びを感じている。「競っている場面で投げさせてもらって、凄くいい経験になっている」。初白星が転がり込んできた試合でも、1点ビハインドの8回に登板。2死一、二塁となったが、最後は冷静にオスナを三ゴロ。ピンチを背負っても「ゼロで抑えていればOK」と切り替え、逆転勝利につながった。

 5月17日にトレード発表後、同20日には借り物のユニホームで初登板。今は勝負どころの8月にブルペンに欠かせない存在となっている。「与えられたポジションを全うできればいい。残りもしっかりやりたい」。「最低の最高」を胸に秘め、腕を振り続ける。(記者コラム・小野寺 大)

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