慶応・森林監督 全国制覇でもナインに金言「これを人生最高の思い出にしないでくれと話した」

2023年08月25日 16:45

野球

慶応・森林監督 全国制覇でもナインに金言「これを人生最高の思い出にしないでくれと話した」
慶応・森林監督 Photo By スポニチ
 第105回全国高校野球選手権で1916年以来107年ぶりの日本一に輝いた慶応(神奈川)は25日、神奈川・日吉の同校グラウンドで選手らとともに森林貴彦監督が取材に応じた。
 歓喜から2日。自由な髪形や選手自身が考えてプレーする「エンジョイベースボール」で頂点に駆け上がった慶応。森林監督は「50年生きてきて、ベストな瞬間だったことは間違いないんですけど、私もこれがベストで終わらないような人生にしたいと思います」と、勝ってかぶとの緒を締める心境を口にした。

 この日のミーティングで、ナインにも同様の話をしたという。「“甲子園優勝というのは、この3学年で勝ち取った素晴らしい成果で、高校野球をやってきた者として誇れる成果だと思うけど、これを人生最高の思い出にしないでくれ”という話はしました」と明かした。

 仙台育英との決勝は、守備や走塁が乱れる場面もありながら、5回に5得点のビッグイニングを作って前年王者を退けた。「ミスしても日本一になるんだな。4エラーで優勝ってなかなかないと思うので。走塁ミスも守備のミスもありで」。一方で、「ミスをしても勝つのは目標にしていた」とも明かした。「高校野球って“ミスが出たら負けですね”とか、“一つのミスが勝敗を負けます”と言われて、みんなもそう思いながらガチガチになってやるのが高校野球ってところだった」。そんな高校野球の常識めいた“言い伝え”も覆しての勝利。「“ミスしてもいい”じゃないですけど、みんなでカバーすればいいし、くよくよしないで前を向いて行こうというのを、決勝という舞台で、仙台育英さん相手に、ミスが出ても勝つという野球をやったというのが成果なんじゃないかな」と振り返った。

 この夏は雪辱戦だった。仙台育英には、春のセンバツで敗れている。森林監督自身は「センバツで育英に負けた時は、出る前より(全国制覇が)遠ざかった気がする」と打ち明けたが、「選手はそんなに思っていなかったのが救い」と、ナインのメンタルに驚き。「甲子園の舞台で負けさせてもらったんだから、もう一度チャンスをもらって、対戦できるまで頑張ろうという思いが強くなりました」と、チーム再建の出発点を明かした。

 チームは前日に凱旋。新大阪からの新幹線は、決勝を戦った仙台育英と同便。新横浜到着後、ナインは後ろの車両に乗っていた仙台育英の選手に手を振って見送った。解散式を行った駅構内では常に警察官が近くを歩く警戒態勢の中で移動。優勝報告会は9月2日に慶大日吉キャンパス内の同校で実施予定となっている。

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