栗山英樹氏 日本ハム最高責任者に!異例“二刀流”編成&運営のトップ

2023年11月17日 03:00

野球

栗山英樹氏 日本ハム最高責任者に!異例“二刀流”編成&運営のトップ
栗山英樹氏 Photo By スポニチ
 3月のWBCで監督として侍ジャパンを世界一へ導いた栗山英樹氏(62)が日本ハムの球団フロントの要職に就くことが16日、分かった。肩書は未定ながら、球団運営とチーム編成を取り仕切る事実上の球団トップとなる。監督経験者が球団の要職に就くのは異例で、日本ハムでは西鉄、大洋などの監督から初代球団社長を務めた名将・三原脩がいる。正式就任は来年1月1日。来年3年目を迎える新庄剛志監督(51)を支え球団とチームの改革を進めていく。
 日本中に興奮と感動を与えたWBCから8カ月。侍ジャパンを世界一に導いた栗山氏が手腕を振るう次のステージは、古巣・日本ハムに決まった。それも現場ではなく、球団フロントの中核にあたる要職に就く。球団運営とチーム編成を一手に担うという重要なポジションで、事実上の球団トップだ。球団にこれまでにない役職名が検討されている。

 日本ハムは今年3月にエスコンフィールド北海道が開業。「世界にまだ見ぬボールパーク」をコンセプトとした新球場を舞台に、球団としても新たな時代に入った。栗山氏には球団運営、チーム編成の両面で陣頭指揮を執り、長期的なかじ取りが期待されている。

 12年から10年間にわたって監督を務めた中で、球団理念の「スカウティングと育成」を実践。就任1年目にリーグ優勝を果たし、投打二刀流の大谷翔平(エンゼルスからFA)を育て上げ、16年には日本一に導いた。21年限りで勇退後は、新設ポストの「プロフェッサー」として主に若手の教育に力を貸してきた。過渡期を迎えたチームは22年から新庄監督の下、世代交代を進めてチーム強化を図っている。今度は球団トップとして新庄体制を全面バックアップし、再び「スカウティングと育成」にチャレンジする。同時に少子化に伴う野球人口減少への対策や北海道での野球発展など、幅広い責務も負う。

 監督経験者が球団トップに就くのは球界では異例。過去には、西鉄や大洋を日本一に導いた名将・三原脩が日本ハムの初代球団社長として球団の礎を築いたほか、西武とダイエー(現ソフトバンク)で監督と球団フロントの要職を務めた根本陸夫氏がいる。栗山氏は三原との関わりが深く、毎年、墓参りを欠かさない。偉大な先人が残した「野球ノート」から野球の奥義だけでなく、人の育て方や動かし方なども学び、WBCでの世界一につなげた。采配以外でも日系選手のヌートバー(カージナルス)を招集するなど卓越したマネジメント能力を発揮。日本野球の将来も見据えて職務を全うした栗山氏は、新時代を迎えた球団のリーダーにうってつけの存在だ。

 同じ日本ハムで歩む三原脩の道。先人たちの「教え」を継承し、世界一に導いたその手腕を今度は球団トップとして振るう。

 ≪渋沢栄一らの「教え」生かす≫栗山氏は球界の先人以外からも多大な影響を受けている。近代日本経済の父と呼ばれる偉大な実業家・渋沢栄一を「師」と仰いで、名著「論語と算盤(そろばん)」を愛読。京セラ創業者の実業家・稲盛和夫氏の著書や残した言葉からも多くを学んでいる。これまで監督として現場で生かしてきたが、今後は人の生かし方や組織の動かし方など、偉大な実業家たちの「教え」を球団運営に生かしていくことになる。

 ◇栗山 英樹(くりやま・ひでき)1961年(昭36)4月26日生まれ、東京都出身の62歳。創価高から東京学芸大を経て、83年ドラフト外で内野手としてヤクルト入団。2年目に外野手に転向し、89年にゴールデングラブ賞獲得。90年に現役引退。通算成績は494試合で打率.279、7本塁打、67打点、23盗塁。スポーツキャスター、白鴎大教授などを務め、12~21年に日本ハム監督を務め、12年にリーグ優勝、16年に日本一。監督成績は1410試合で684勝672敗54分け、勝率.504。21年11月から侍ジャパン監督を務め、今年3月のWBCで3大会14年ぶりの優勝に導いた。

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