大谷翔平 史上初!WBC&MLBの同一年「ダブルMVP」 全力で駆け抜けた激動の1年

2023年11月17日 08:29

野球

大谷翔平 史上初!WBC&MLBの同一年「ダブルMVP」 全力で駆け抜けた激動の1年
ベンチで笑顔を見せる大谷翔平 Photo By スポニチ
 エンゼルスからフリーエージェント(FA)となった大谷翔平投手(29)が16日(日本時間17日)、21年以来2年ぶり2度目となるア・リーグMVPに、満票で輝いた。
 日本選手の2度目の受賞は初めてで、前回に続く2度目の満票受賞は大リーグ史上初めての快挙。しかし「史上初」はこれだけでは終わらない。大谷は3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でMVP(最優秀選手)に輝いており、同一年の「MVPダブル受賞」も史上初のこととなった。

 WBCでMLB所属選手がMVPを受賞したのは過去4人。09年大会の松坂大輔(レッドソックス)、13年大会のロビンソン・カノ(ヤンキース)、17年のマーカス・ストローマン(ブルージェイズ)と大谷の4選手。大谷以外は同一年に限らず、MLBのMVP受賞経験はない。

 大谷にとっては充実の、そして激動の1年だった。初参加のWBCでは全7試合に出場。投手としては9回2/3を投げ、2勝1セーブ、11奪三振をマーク。打者としては打率・435、1本塁打、8打点と打線の「核」となり、14年ぶり3度目の世界一に貢献した。

 シーズンに入っても勢いは止まらなかった。3月30日(日本時間31日)のアスレチックス戦で日本投手4人目となる2年連続での開幕投手を務めた。投手として勝ち星を、打者として安打、本塁打を順調に積み重ね、5月18日(同19日)のオリオールズ戦で松井秀喜以来となる5度目の2桁本塁打を記録。6月30日(同7月1日)のダイヤモンドバックス戦では自己最長飛距離となる493フィート(約150・3メートル)の特大弾で両リーグ最速で30号に到達した。ア・リーグでは62年ぶり4人目の月間15本塁打を放ち、自身3度目の月間MVPも受賞した。

 7月11日(同12日)にはリーグ最多得票で選出された球宴に3年連続で出場。スタンドからは観客の「Come to Seattle!!(シアトルに来て!!)」コールが沸き起こるなど、スターが集結する舞台でも主役となった。

 異次元の力を見せつけたのは、同27日(同28日)のタイガース戦だ。ダブルヘッダー第1試合は投手として、被安打1でメジャー初の完封勝利。第2試合では2本塁打を放った。ダブルヘッダーで完封し、もう1試合で本塁打を放つのは史上初の快挙。記録だけでなく「伝説のダブルヘッダー」の記憶も残すなど、2カ月連続の月間MVPは必然だった。

 8月9日(同10日)ジャイアンツ戦で10勝目を挙げ、ベーブ・ルースも成し得なかった2年連続の「2桁勝利&2桁本塁打」を達成した。しかし同月に「右肘靭帯損傷」が判明し、残り試合での登板を回避することが決定。9月4日(同5日)の試合前練習で右脇腹を痛め、打者としてもその後の試合を欠場した。同16日(同17日)に「右脇腹の張り」で15日間の負傷者リスト入りし、今季を終えた。

 最後は不本意な形でのシーズン終了となったが、投手としては23試合で10勝5敗、防御率3・14。打者としては打率・304、44本塁打、95打点、20盗塁と投打両面で文句のない成績を残した。2年連続で2桁勝利を挙げ、3年連続規定打席到達で初のシーズン3割をマーク。アジア人として初の本塁打王を獲得した。全力で駆け抜けたシーズン。最上級の輝きを放った1年だった。

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