カブス・今永“昇TIME” 記録ずくめの快投劇で米1勝 史上2人目の初登板で6回無四球無失点9K以上

2024年04月03日 01:30

野球

カブス・今永“昇TIME” 記録ずくめの快投劇で米1勝 史上2人目の初登板で6回無四球無失点9K以上
<カブス・ロッキーズ>大リーグデビューを果たしたカブス・今永は6回無失点の好投(AP) Photo By AP
 【ナ・リーグ   カブス5-0ロッキーズ ( 2024年4月1日    シカゴ )】 記録ずくめの快投だ!カブスの今永昇太投手(30)が1日(日本時間2日)、ロッキーズとの本拠地開幕戦でメジャーデビュー。6回2死まで無安打投球で、6回を2安打9奪三振無失点で待望の初勝利を手にした。デビュー戦で6回を無四球無失点、かつ9奪三振以上は1901年以降ではメジャー2人目。球団では過去123年で初の快挙で、海を渡った「投げる哲学者」が新天地で最高のスタートを切った。
 本拠リグリー・フィールドを埋めた地元ファンが一斉に立ち上がる。三振を期待する大きな拍手。今永は見事に応えた。6回2死一、二塁。92・6マイル(約149キロ)の直球に3番N・ジョーンズのバットが空を切る。9個目の「K」に総立ちのスタンドは歓喜の嵐だ。日本からやってきた小さな左腕は、声にならない叫び声を上げマウンドを降りた。

 「最後の力を振り絞った。とりあえず雄叫びを…。その後“レッツゴー”と言ったので、少しアメリカ人になってるかもしれない」

 鮮烈なデビューだった。高めの直球は力が、低めの変化球は切れがある。昨季のセ・リーグ奪三振王は、新天地でも次々と三振を量産した。「自分は高めの直球で勝負したりコンビネーションの投手。やろうと思ったことができた」。6回2死まで無安打。9三振以外の9アウトは全てフライアウトだった。スタットキャストによると、直球の1分間の回転数は最多で2558、平均2386。昨季のエンゼルス・大谷の平均2260より多い。強烈なスピン、手元で伸びる直球が最大限の威力を発揮した。

 気温8度の寒さの中、日本時代と同じ半袖姿で熱投。デビュー戦で6回を無四球無失点で9奪三振以上は、直近123年で球団初の快挙だ。スタンドでは家族も観戦。しかし愛犬をペットホテルに預けてきたため「お母さんが“かわいそうだ”って。1泊だけで弾丸で帰るので、家族のために変な投球をすると申し訳ない。気合を入れた」と笑った。

 異名は「投げる哲学者」。素顔はチームに懸命に溶け込もうとする一人の若者だ。ベンチ裏では極力、通訳に頼らず自分で会話。キャンプ中にナインがサッカーに興じていると、自らディスカウントストア「TARGET」に足を運んでボールを購入し、一緒に楽しんだ。試合後、今永はショッピングカートに乗り、そんな仲間からビールなどをかけられ盛大に祝福された。

 「もしこれを船出に例えるなら、まだ船からロープを外しただけ。苦しい時もまだある。今日は余韻に浸って、気を引き締めて過ごしたい」。7日(日本時間8日)のドジャース戦に先発なら大谷と対戦の可能性もある。海を渡った左腕がシカゴの地で確かな、大きな一歩をしるした。

 ≪千賀に続く初登板初勝利≫今永が6回を92球で2安打無四球、9奪三振無失点で白星。日本投手の初登板初勝利は昨年の千賀(メッツ)以来13人目。

 ≪球団初≫カブスの投手がメジャー初登板で5回2/3まで無安打だったのは1920年以降で球団最長タイ。また、デビュー戦で6回を無四球無失点で9奪三振以上は、1901年以降では2018年のニック・キンガム(パイレーツ)以来2人目。カ軍では直近123年間で今永だけだ。「2安打以下で無失点、9奪三振」も球団初。
 
 ≪奪った空振り20は3位タイ≫詳細な投球データの記録が始まった08年以降ではデビュー戦で奪った空振り20は3位タイ。

おすすめテーマ

2024年04月03日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム