「投げる哲学者」カブス・今永 素顔はノリのいい男 DeNA担当記者が語る

2024年04月03日 01:30

野球

「投げる哲学者」カブス・今永 素顔はノリのいい男 DeNA担当記者が語る
<カブス・ロッキーズ>6回無失点でデビュー戦を飾ったカブス・今永(AP) Photo By AP
 【ナ・リーグ   カブス5-0ロッキーズ ( 2024年4月1日    シカゴ )】 「投げる哲学者」の愛称を持つ今永のメジャー初勝利。21年からDeNAを担当する大木穂高記者(51)が、取材を通して見てきた左腕の素顔について語った。
 1月、カブスの入団会見。今永が第一声で「ヘイ、シカゴ!What do you say?」とあいさつした。その姿に「今永らしいな」と思った。笑いを取り、場の雰囲気を和らげた姿に「投げる哲学者」のイメージはない。DeNA時代も試合のない投手練習日には「今日は何のネタがいいですかね」と報道陣に歩み寄っていた“ノリのいい”今永だ。

 22年6月7日、札幌ドームでの日本ハム戦でノーヒットノーランを達成。その際に紙面で紹介した「ミトコンドリアの増加が疲労回復を早める」という話題など、他選手とは違う視点のネタを提供してくれる。「この前読んだ本なんですが」とか「この前耳にした話なんですが」とか、取材するこちら側が集中力をグッと高めるような話題が次々と出る。そんな姿に「投げる哲学者」の愛称が定着した。だが、カブス移籍後に見られるようになった、ノリのいい明るさが本来の今永のキャラクターだ。DeNAでもイジられ役で、チームメートは「哲学者なんかじゃない」と口をそろえる。

 それでもメジャー初勝利後も「一番意識したのは、あやふやに投げないというか、根拠を持ってしっかり投げるっていうところ」と理路整然と投球を振り返っていた。ノーヒットノーラン達成の瞬間、ガッツポーズもせずプレートを丁寧に足でならした姿を思い出した。興奮状態にある瞬間でさえ冷静だった「哲学者」ぶりも健在だった。

 エースと呼ばれた昨年まで「自分が勝つより、チームが勝った時に“そういえば今永が投げていた”と思われたい」が口癖だった。「(米国の)周りの人っていうのは僕のことを知らないので、特に“やってやろう”って思う必要がないというか、何かを背負う必要もない」。記者が見続けた肩の力が抜けた素顔の今永だった。

おすすめテーマ

2024年04月03日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム