斎藤隆氏 カブス・今永の直球勝負に「侍」を見た 奪三振数トップ5入るのでは

2024年04月03日 01:30

野球

斎藤隆氏 カブス・今永の直球勝負に「侍」を見た 奪三振数トップ5入るのでは
22年、投球練習する今永(手前)を見つめる斎藤コーチ Photo By スポニチ
 【ナ・リーグ   カブス5-0ロッキーズ ( 2024年4月1日    シカゴ )】 昨年まで2年間、DeNAのチーフ投手コーチを務めた斎藤隆チーム統括本部長付アドバイザー(54)が、白星につながったカブス・今永の投球内容を分析した。
 昇太は18メートル44の空間を完全に支配していた。初登板で注目していたのは真っすぐの使い方。彼は球種が多い方ではないので、どれだけ押せるかと思っていたが、直球が通用するかを探るというよりは、「俺はこれで勝負しに来た」くらいの気持ちが伝わってきた。最近は技術でアウトを取ろうとする若い投手も多い中、久しぶりに侍を見た気がする。

 象徴的な場面が2回無死一塁の5番マクマーンへの配球。2―2から7球連続で直球を投げた。13球粘られたが、最後はチェンジアップで空振り三振。変化球を生かすための真っすぐ。自分もメジャーでアルバート・プホルスに対して、決め球のスライダーを最後に使うために何球も真っすぐを続けたことがあるが、そのことを思い出した。

 これまでの日本人投手と比べて上背はないが、低いリリースポイントからスピン率の高い直球を投げるのが、メジャーでは逆に希少性となる。高めで空振りが取れ、フライアウトが多かったのもそれが理由だろう。フォーム的には昨季と比べて、右足をつくまでの時間がわずかに長くなったように感じた。下半身も安定している証拠で、この「間」により、テイクバックからトップにスムーズに入り、より力が伝わっていたように見えた。

 昇太はどちらかといえば、球数が多い投手なので、私としては本当は三振は増えてほしくないと思う。高めの直球で2、3球で簡単にフライアウトが取れれば、イニングも稼げる。でも、この日の投球を見ると、1年目から奪三振数はリーグトップ5に入る数字を残すのではないか。(前DeNAチーフ投手コーチ)

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